【新型コロナの感染】最もヤバイのは「手を噛まれる」ことだった! 最凶の攻撃「ヒト咬傷」を亜留間次郎が解説…骨が溶けた例も!

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画像は「沖縄医報2007年7月号ヒト咬傷について」より引用

 平成18年11月、15歳の少年が喧嘩で顔面を殴って拳を負傷して病院に来たのですが、「人を殴った」とは言えないので「壁を殴った」と嘘をついていたそうです。

 2センチ程度の傷だったので傷口を洗浄して縫合して帰したのですが、3日目には熱が出始め傷口がはれ上がり手が動かなくなってきて、7日目には傷口が腐り始めたのですが、腐った部分を切り取って縫合し直して抗生物質を点滴しました。

 しかし、症状は悪化する一方でした。24日目には整形外科に回されたのですが、そこで初めて整形外科の女医さんが少年を問い詰めたところ、人を殴った事を認めました。

 傷は予想外に深く骨にまで達していて、ヒト咬傷だと判明した時は、すでに骨が腐って溶けていました。

 腐った部分を外科手術で取り除くことですぐに治ったのですが、中手骨の先端部分が溶けて無くなってしまい、中指の第3関節が充分に曲がらなくなり、彼は2度と拳を握ることができなくなりました。

 15歳にして二度と人が殴れなくなったのは自業自得でしょう。

 ここまで悪化するほど治療が遅れたのは、医師がヒト咬傷だと診断出来なかったことが原因です。どうして診断できなかったのかと言うと患者が嘘をついていたからです。

「若者や中年では拳で他人の顔面を殴ったヒト咬創は患者が受傷機転を詐称することが多く、治療機会を逃してしまい悪化することが多いので、受傷部位や臨床所見からヒト咬傷の可能性を予測しながら治療に当たることが望まれる」と整形外科の医師は警告しています。

 医師は基本的に患者の自己申告を信じて診断しますが、患者が嘘をつくと診断が遅れて取り返しが付かないほど悪化することがあります。悪いことをした時でも、自分自身のために正直に言いましょう。

参考:「MSDプロフェッショナル」、「沖縄医報2007年7月号 ヒト咬傷について(PDF)

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文=亜留間次郎

薬理凶室の怪人アルマジロ男。人間の皮を被った血統書付きアルマジロ。守備範囲は医学から工学、ノーマルからアブノーマルまで幅広く、アリエナイ理科ノ大事典など、くられ氏と共に薬理凶室関連の共著多数。単著に『アリエナイ理科式世界征服マニュアル』(三才ブックス)がある。よくわからないケダモノなのでよくわからないネタで攻めていきます。

公式サイト http://asai-laboratory.sakura.ne.jp/
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