第三次世界大戦が現実に!?米軍が秘密裏に「対ロシア核攻撃」シミュレーションを行ったことが判明! 次世代“小型核”で一気に叩く…

■“レガシーシステム”の次世代化が急務の課題

 2月初めには米軍の新たな低出力核弾頭「W76-2」が実戦配備され、「トライデントD5潜水艦発射弾道ミサイル」の弾頭がこのW76-2に換装されたことが発表されている。そして米軍は巡航ミサイル「トマホーク」に変わる新たな海上発射型巡航ミサイルを検討しており、今後7~10年以内の配備を目指しているということだ。

 さらに計画では国家核安全保障局が管理する核備蓄の近代化も要求されている。トランプ政権は「W88」などの老朽化した核弾頭を置き換えるために、新しい核弾頭である「W93」に順次換装するプログラムを開始するという。

 新兵器開発においてロシアに後れをとっている感のあるアメリカは、特に核戦力の近代化を急務の課題としていることが今回のペンタゴンの報告から浮き彫りになっている。

 新たな核弾頭であるW76-2は、従来の100キロトン級の核弾頭をわずか5~7キロトン程度に抑えた低出力核弾頭なのだが、これはロシアの充実した戦術核兵器に対抗するもので、防衛能力が高まっている防空網を突破するために高速かつ確実に敵地に着弾させるための核弾頭である。

 核兵器に限らず米軍の軍事装備は1970~80年代に開発されたものがまだ多く主力としての地位を占めており、こうした「レガシーシステム」をいち早く次世代型の装備に置き換えなければならないのである。

第三次世界大戦が現実に!?米軍が秘密裏に「対ロシア核攻撃」シミュレーションを行ったことが判明! 次世代小型核で一気に叩く…の画像3
「The Guardian」の記事より

 そしてこの新たな装備とシステムへの移行期間は“移行リスク”として十分な配慮と管理が必要であるという。移行期間中に一時的に軍事力が低下するのはやむを得ないともいえるが、その戦力低下は最小限度にとどめなければならないことは言うまでもない。

 またこの軍事装備のアップグレードに伴う経費は莫大な金額に膨れ上がることは必定であり予算面の調整にも困難が予想されるが、ともあれ世界最強の軍隊である米軍の装備が今後10年でどのように刷新されるのか、国内外の注目が集まっている。もしも第三次世界大戦が始まった時にどのような展開を迎えるのかを想起させる、実にきな臭い話ではある。

参考:「National Defense Magazine」、「Futurism」、「The Guardian」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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