同じはずのSEX経験人数、女より男の方が多いのはなぜ? “統計のウソ”と隠れた差別を東大教授が指摘

 さて、同性愛カップルを考慮に入れると、どうして性交渉の相手数に男女差が出るのでしょうか。そう、レズビアンよりゲイの方が性交渉の相手数がはるかに多いからです。

 これは性科学や心理学の常識。というか普通に知られていることですね。念のため、進化心理学的な視点で確認しておきましょうか。

 ヘテロ女性とヘテロ男性を考えましょう。女性は、性交渉の相手を増やしても、産める子どもの数は増えません。優秀な男、あるいは子どもの面倒を見る余裕ある男を厳選した方が、自分の遺伝子を残せる確率が増します。

 対して男性は、相手を増やせば増やすほど子どもの数が増えるので、可能な限り体験人数を増やす欲求を持ちます。美人にのみ惹かれるとか、親しい女に限定とか、そういう選り好みをするようでは、他の男に出し抜かれて生殖競争から脱落。好きな女だろうが嫌いな女だろうが初対面だろうが欲情するようでないと、男は遺伝子を残せませんでした。

画像は「getty images」より

 こうして、不特定多数にタネをまく男、パートナーを厳選する女、それぞれが代々勝ち組になってきた。両者の妥協点で性交渉のあり方が決まり、男女特有の性向が子孫にも受け継がれてゆくことになります[2]

 この性向は、同性愛者も共有しています。ゲイは男性的性欲に従う。ヤレるチャンスは逃さない。レズビアンは愛するパートナーと安定した関係を持ちたがる。妊娠の心配がないぶん、ゲイのように乱交を好んでもおかしくないのに、ヘテロ女性とほとんど変わらない[3]。個人差はあるにせよ、統計的に、ゲイとレズビアンの性行動は劇的に違うのです。

 ゲイの世界は「ノーと言う女」がおらず、「基本、やりたいもの同士」なので、セックスの合意は簡単に成立する。あるアメリカの心理学者の推定によると、ゲイの平均体験人数は約500人[4]。どの資料も似た数字を報告しており、私が個人的に複数のゲイから聞く数字も同じようなもので、信憑性があります。

[2] 伴性遺伝、多面発現、性間拮抗、遺伝相関などのメカニズムにより、特定の遺伝子を受け継いだ個体が♂か♀かによって正反対の性質を発現させることがありうる。
[3] このことから、男女関係で一般に性愛の主導権を握っているのは女性であると証明できる。J.M.Bailey, The Man Who Would Be Queen, (Joseph Henry Press, 2003), p.89.
[4] Bailey前掲書,p.86. サンフランシスコでなされたパイオニア的調査では、性交渉相手の人数はゲイの75%が100人以上、27%が1000人以上。レズビアンは大半が10人未満。A. P. Bell, M. S. Weinberg, Homosexualities, (Littlehampton Book Services Ltd, 1978)。

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