ビル・ゲイツ「新型コロナ予言」の背景を徹底解説! エボラ、SARS、疑惑のスピーチ…事実ベースに陰謀論を読み解く

 ちなみにアメリカ人医師や看護婦らにもエボラ感染者が出たが、彼らは本国に送還されると非承認薬ZMapp(ジーマップ)などの治療によって治療に成功している。

 この年、エボラ出血熱が世界中に蔓延するのではないかと恐れられ、大きなニュースとなっていたが、幸いなことに日本に侵入してくることはなかった。

 同年10月24日、アメリカで二次感染者となった看護婦ニナ・ファムが完治して退院、その当日にホワイトハウスに招かれて、オバマ大統領によってハグされた。このパフォーマンスは、エボラにアメリカが勝利したことを象徴する出来事となっている。

画像は「CNN」より引用


 ゲイツのスピーチに戻ると、彼はエボラの感染拡大への対応について、「グローバルな規模の失敗」だったと手厳しい。

 彼からすれば、感染状況の分析チームも選び抜かれた医療スタッフも準備されておらず、幸運にもエボラの危機は逃れたものの、これまで人類は感染症のウイルスに対する抑制システムについて、「ほとんど何もやってこなかった」というのだ。

 そればかりか、「ウイルスの中には感染していても症状がなく、そのまま飛行機に乗ったり、市場に行ったりするケースもある」と指摘する。

 それはまさに全人類を苦しめているCOVID-19ではなかったか! このスピーチを見返して、誰もが驚かされるところだろう。

画像は「YouTube」より引用

 とはいえ、ここにも先例がある。

 ゲイツは「空気感染のモデル」として、1918年に起こったスペイン風邪のパンデミックの様子をマップと数値で紹介している。

 毎年のように現れる新しいインフルエンザに世界中が過剰に反応するのは、スペイン風邪が全世界で約3000万人以上の死者を出したからである。

 付け加えるなら、日本に関しては、2003年の「SARS(重症急性呼吸器症候群)」や2012年の「MERS(中東呼吸器症候群)」といったコロナウイルスが感染拡大したときも、その侵入を免れている。さすがに、2009年の新型インフルエンザのときは、日本でも感染拡大の危機が叫ばれ、治療薬とされたタミフルを日本政府が大量購入して備蓄したが、結果的にはそれらが使われることはなかった。新型コロナウイルスへの日本政府の対応の悪さは、それまで幸運にも感染拡大を免れてきたことからくる慢心ともいえるだろう。

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