ビル・ゲイツ「新型コロナ予言」の背景を徹底解説! エボラ、SARS、疑惑のスピーチ…事実ベースに陰謀論を読み解く

 再び、ゲイツに戻ると、彼は次なるパンデミックに備える対策を具体的に挙げている。

 第一に貧しい国々も含めた医療体制の整備、第二に選び抜かれた医療専門チーム、さらに医療チームを敏速に目的地に運ぶため、軍隊の緊急輸送部隊が必要だという。そればかりか、スマートフォンを使った情報共有やGPSを用いた人々の行動追跡などについても言及している。最後には「今始めれば、次の感染症への対策には間に合います」と結んでいる。

画像は「Getty Images」より引用


 改めて、このスピーチが行われた2015年に立ち戻るなら、オバマ大統領は感染症対策に熱心で、その後のエボラ対策に緊急対応資金を割り当てるなど、多くの医療プログラムに予算を割いていた。ビル・ゲイツが次なるパンデミックの到来を予言していたのも、当時のアメリカ政府の政策ともシンクロしたものだったのである。

 皮肉なことに、2018年、それらの予算はトランプ大統領によって大幅にカットされている。オバマの残した感染症対策が継続されていれば、COVID-19のパンデミックで、これほどの大きな被害を出さずに済んだのかもしれない。

 去る4月14日、トランプ大統領は、WHOへの資金の拠出を停止すると発表した。その理由は、感染の初期段階で正しい情報がアメリカにもたらされなかったというもので、WHOの中国寄りの対応を強く非難するものだった。

 ここでもさっそくビル・ゲイツのコメントが注目された。彼は「実に危険なことだ。代わりができる組織はほかにない」とWHOを擁護している。ゲイツからすれば、パンデミック到来は、もう5年も前から予想されたことなのだ。

 そればかりか、ビル・ゲイツは、2019年10月に「イベント201」という、パンデミックをシミュレーションするディスカッションイベントを開催している。そこではいったい何が行われたのか?

 次回は「イベント201」の具体的な内容に切り込んでみたい。

(つづく)<第2回はコチラ>

文=ケロッピー前田

1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!

公式twitter:@keroppymaeda

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