「幽霊や妖怪を見たとき」の8つの診断ポイントを亜留間次郎が医学的に解説!「若おかみは小学生!」も科学的に検証!
■人間か妖怪か診断する
チェックポントの7番目(自分の体の長さや形に大きな違和感を感じたことが無いか確認する)は体感幻覚といって、他者が幽霊や妖怪に見えるのではなく、自分が妖怪に見える場合の症状です。
この病気の一番有名な罹患者が、『不思議の国のアリス』で有名なルイス・キャロルです。チェックポイントの8番目のように、絵心のある患者には絵を描いてもらうとわかります。ルイス・キャロルの場合、残された自画像から察するに、自身がろくろ首と頭脚人間の混合妖怪だったのです。
アニメにもなったライトノベル『デュラララ!!』のヒロイン、セルティ・ストゥルルソンはデュラハンという胴体と頭が分離した妖精ですが、デュラハンもろくろ首の亜種で、自分の頭部が首の上に無いと感じる体感幻覚の一種です。逆に首から下が無いと感じる幻覚は、飛頭蛮という夜になると頭部だけが胴から離れて空中を飛び回る妖怪や、2004〜05年に週刊少年ジャンプに連載していた『未確認少年ゲドー』の主人公である頭脚人間です。
これらの体感幻覚は6番目の片頭痛持ちとセットであることが多いために、6と7に該当して自画像がろくろ首か頭脚人間ならば確定診断できます。6番目の片頭痛がなく、3番目で夜になると出る飛頭蛮の場合は、レム睡眠行動障害や夢遊病様です。
このように、妖怪や妖精は、体感幻覚症状のある人間が描いた自画像の場合が多いのです。
この病気には「不思議の国のアリス症候群」という病名がついています。これは精神病ではなく脳神経疾患で、イギリスの精神科医のジョン・トッドが1955年に発表するまで、妖怪などの幻覚は精神病とされてきました。
この病気は『不思議の国のアリス』でアリスが大きくなったり小さくなったりすることが元だと書かれていることが多いのですが、本当は、ルイス・キャロル自身の手書きイラストの奇形が作者自身の脳神経疾患によるものであることから命名されています。
作者オリジナルのイラストがあまりにもアレすぎたので、編集者が気を利かせてイラストレーターに描き直させているために、一般に知られている不思議の国のアリスの姿は作者の認識とかなり異なっています。
ルイス・キャロルは自分の首が何かのショックを受けると伸びたり、頭だけがとれて頭に手足が生えた姿で歩き回っているろくろ首と頭脚人間の混合妖怪であると自己認識していたらしく、
自分が妖怪であることがバレたら退治されると思い込んでいたらしいのですが、本当に妖怪だった可能性も否定できないかも? 天才となんとかは紙一重とはよく言ったものです。
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2024.10.02 20:00心霊「幽霊や妖怪を見たとき」の8つの診断ポイントを亜留間次郎が医学的に解説!「若おかみは小学生!」も科学的に検証! のページです。不思議の国のアリス症候群、若おかみは小学生!、脳神経疾患、体感幻覚、オートマティズムなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで