「幽霊や妖怪を見たとき」の8つの診断ポイントを亜留間次郎が医学的に解説!「若おかみは小学生!」も科学的に検証!
■寝ている間に妖精さんがやってくれた
昔から、何かの作業を長時間続けていると、寝ているうちに妖精さんがやっておいてくれることがありますが、これは一種の自己催眠状態で、自覚することが出来ず自分がやったことを覚えていないだけです。医学用語では「オートマティズム」と呼ばれている正式な脳神経疾患で、妖精さんはその人の脳内にいます。
若おかみの仕事を幽霊が手伝ってくれたのは、自覚できない状態で自分でやっていただけです。一般的には、疲労による脳機能の低下により一時的に引き起こされる現象なので、治療法は「寝れば治る」です。
この妖精さんは、金さえ積めばどんな裁判でも無罪を勝ち取る超高給取りの弁護士達の手によって、本当に存在することにされています。
刑事裁判での法律用語としてのオートマティズムとは、自発性がなく無意識にやったので、責任能力がないから無罪……という屁理屈を用いた刑事弁護の概念です。自分の体と精神が自己のコントロール下にない特殊な状態だったから責任能力なしという理論で、じゃあ誰のコントロール下にあったのかと問われれば「脳内の妖精さん」という返答になるからです。冗談かと思われるかもしれませんが、本当に欧米の法律用語の専門書に載っています。
欧米ではこれを悪用して、「私は悪くありません。妖精さんの仕業です」と本気で刑事裁判で主張する法廷戦術が実在しています。この戦術では、被告は精神病ではなく特殊な精神状態であったと主張します。これは、酒に酔って酩酊状態だったから責任能力が無く無罪、というのと似た理論で、医学的に病気ではないが法学的には誰のコントロール下にも無い状態なので責任能力を喪失している——という医学的な解釈を法学的に拡大解釈した詭弁の一種です。
法律用語のオートマティズムと医学用語のオートマティズムは微妙に異なる定義になっており、裁判所と病院という全く異なる世界で「妖精さんの仕業」になっているのです。
これは何かに憑依されて操られ、自分の意志に反してやってしまった時の言い訳に使えます。田中圭一先生も著作権侵害で訴えられた時はオートマティズムを主張して、「手塚治虫先生の霊に操られていた」ことにするといいでしょう。ただし、日本の裁判では認められた判例はありません。
妖怪や妖精は法学の世界に実在しており、時として、裁判で人じゃないのに犯人にされることもあるのです。
参考:「怪談に学ぶ脳神経内科」、「神経内科, 64(3) : 304-308, 2006」、「大英帝国図書館ライブラリ」、「Wikipedia」ほか
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2024.10.02 20:00心霊「幽霊や妖怪を見たとき」の8つの診断ポイントを亜留間次郎が医学的に解説!「若おかみは小学生!」も科学的に検証! のページです。不思議の国のアリス症候群、若おかみは小学生!、脳神経疾患、体感幻覚、オートマティズムなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで