「ハエ叩き」発明の歴史に潜むエピソードが面白すぎる! 亜留間次郎が徹底解説!

【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】

画像は「Getty Images」より引用

■公衆衛生の必殺武器

 1905年、アメリカのカンザス州ではハエが大量発生、伝染病が流行して深刻なパンデミック状態になっていました。

 当時はハエを殺すのに有効な殺虫剤はまだ発明されておらず、飛び回るハエを捕まえて殺すことは困難でした。カンザス州保健委員会のメンバーだったDr.サミュエル・ジェイ・クランバインは、伝染病の原因であるハエを駆除するために「Swat that fly!」を標語にハエ撲滅キャンペーンを行いました。

 しかし、飛んでいるハエを叩き落すことは非常に困難です。「ハエ払い(Fly whisk)」という道具は古代から存在していましたが、一時的に追い払うだけでハエを殺すことはできませんでした。丸めた新聞紙など棍棒状や板状の物体でハエを叩いても、その武器が発生させる風圧でハエを押し出してしまうので命中しません。

 そして何より、ハエの飛行能力は非常に高いのです。100分の1秒で進路を変えられる旋回能力と秒速1m前後にもなる飛行速度を発揮するハエに対し、人間の身体能力では捕捉することが困難です。

 そこへ、学校の教師でボーイスカウトの指導をしていたフランク・H・ローズという人物が、網戸の一部を切り取って棒の先につけた道具を作って州保健委員会へ持ち込みました。

 それは、長さ1フィート(約30センチ)の棒の先端に4インチ(約10センチ)四方の網の板を取り付けただけの簡単な道具でしたが、Dr.クランバインは一目見てその道具の有用性を見抜き「ハエ叩き(flyswatter)」と命名しました。

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