損傷した肺を“ブタにつないで”修復する技術が爆誕! ハンパない効果を確認、肝臓・心臓・四肢再生にも応用へ!?(最新研究)

 ドナーから提供された肺が損傷を受けていて移植に使えない……残念ながらそういうことは珍しくないという。だが、そのままでは移植できないような痛んだ肺を、豚を使って蘇らせる方法が研究されているという。科学ニュースサイト「Science Alert」(7月13日付)が報じた。

Damaged Human Lungs Can Be Repaired by Attaching Them to Pigs, Experiment Shows (Science Alert)

 肺は事故による外傷や誤嚥による肺炎などで損傷を負いやすいため、ドナーから提供された肺の実に80%が利用されないという。そこで米コロンビア大学の研究者らは、損傷した肺を移植できるレベルに回復させる新たな方法を実験的に成功させた。それは取り出した肺を豚の循環器系につなぎ、生物が持つ修復メカニズムで損傷を回復させるというものである。

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画像は「Science Alert」より引用

 現在でもすでに似たような技術は存在し、ドナーから取り出した肺に栄養や酸素を送り込む体外肺灌流(EVLP)という処置が実際に移植の現場で行われている。だが、これはその肺の機能性をチェックしたり安定させたりすることが主な目的であり、また使用できるのは最大8時間程度で、大きな損傷を回復させるほど長時間使用できるものではない。

 2017年、同大の研究者らは、損傷した豚の肺を別の豚の循環器系につないて回復させることに成功した。その後の研究によって肺を保存できる期間は4日にも伸びており、そして今回、ついに人間の肺を使った実験が行われたのである。

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画像は「Daily Mail」より引用

 使われたのは6人分の損傷した肺で、うち一つはEVLPを行なっても移植に適していないと判断されたものだという。肺は麻酔と免疫抑制剤を投与した豚(ただし、一頭だけ免疫抑制剤を投与されなかった)に頸動脈カニューレを介してつなげられた。臓器は生理学的、生化学的なパラメータを注意深く監視される中、異種間交差循環の状態で24時間置かれ続けた。

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画像は「Columbia University」より引用

 免疫抑制剤を投与されなかった豚とつなげられた肺はあっという間に拒絶反応を起こしたが、それ以外の5つの肺は驚くほど状態を回復させた。細胞の生存率、組織の品質、炎症反応、そして呼吸機能において有意な改善を示し、完全回復とまではいかないまでも、移植可能なレベルまで修復されたのである。この結果は専門誌「Nature Medicine」(7月13日付)に掲載された。

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