口の中に寄生し、最後には舌を食べて置き換わる寄生虫がヤバイ! 性転換も…!
魚の口の中から世にも恐ろしい寄生虫が発見された。
科学ニュース「Live Science」(8月12日付)によると、米ライス大学バイオサイエンス学部助教授で生物学者のコーリー・エヴァンス氏が、ベラの仲間であるヘリングケールのX線画像を撮影したところ、気味の悪い寄生虫が口の中に鎮座しているのを発見、10日にその画像を自身のツイッターに投稿したという。
“吸血鬼”と呼ばれることもあるこの寄生虫は等脚目に属するウオノエ科の寄生虫だ。今回発見されたタイプのウオノエは、魚のエラから魚の口に入り込み、舌に張り付く。それから、7対の脚で舌の付け根を掴み、血液の供給を減らすことで、最終的に舌が取れてしまうという。すると、今度は寄生虫自身が魚の舌の位置に張り付き、そこから血液を吸い取り続ける……。また自ら性転換を行い魚の口の中でオスとメスが存在する状況を作るという便利な能力も持ち合わせている。
実に気味悪い寄生虫だが、日本でも鯛から見つかるウオノエ科の一種である“タイノエ”は釣り人を中心によく知られている。人間には寄生せず、毒もないため、寄生され
た魚を食べたり、タイノエ自身を誤って食べてしまっても健康に問題はないそうだ。
自分の舌が寄生虫に置き換えるなんて想像もしたくない悪夢だが、とりあえずのところウオノエは魚にとっての新たな舌として機能し、その共存関係は何年も続くこともあるという。現在ウオノエ科には360種以上が存在するとされており、中には魚の舌ではなく口蓋(口の中の上側の部分)やエラ、眉間などの体表、腹の中に寄生する種もいるそうだ。
気味の悪い寄生虫だが、実は江戸時代の日本では、縁起物である「鯛の9つ道具」の1つに“鯛の福玉”としてタイノエがリストアップされていた。全ての鯛にタイノエが寄生しているわけではないから、むしろある方がラッキーということだろう。
さまざまな魚の頭蓋骨の形を比較するために、デジタル化作業をしていただけのエヴァンス氏にとって、ウオノエの発見は仰天の出来事だっただろう。しかし、日本的な感性からすればラッキーだったと考えることもできそうだ。実際に今回発見されたウオノエについてはよく分かっていないことが多いらしく、サイドプロジェクトになるかもしれないとエヴァンス氏は語っている。
魚にとっては迷惑この上ない寄生虫だが、鮮魚店などで見かけた際には縁起物だと思ってむしろ寄生された魚を購入してみてはいかがだろうか?
参考:「Live Science」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊口の中に寄生し、最後には舌を食べて置き換わる寄生虫がヤバイ! 性転換も…!のページです。魚、寄生虫、ウオノエ、タイノエなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで