ブラックホールがワームホールに飲み込まれたらどうなる!? 超ブッ飛んだふるまいを見せると判明!(最新研究)

■ブラックホールはワームホールを往復し続ける

 研究チームはコンピュータモデル上で、太陽の質量の5倍のブラックホールと、太陽の質量の200倍でブラックホールより60倍広い口を持つ安定した移動可能なワームホールとの相互作用を分析した。このシミュレーションによって、ブラックホールがワームホールに出入りするときに、これまでに見られたものとは異なる重力波の信号が発生することが突き止められたのだ。

 連星ブラックホールにおいて、2つのブラックホールが互いに近づくと、腕を体に近づけて回転するフィギュアスケート選手のようにスピンの速度が増していく。そしてスピンの速度が増すことで、重力波の周波数もまた増加する。

 同じようにワームホールとブラックホールが近づいた場合にも、スピンの速度が増し重力波の周波数もまた増加するのだが、ブラックホールがワームホールに飲み込まれた時点で、当然ではあるがブラックホールからの重力波のシグナルは消える。

 研究チームによれば、ワームホールのトンネルを通過したブラックホールは回転する方向を外向きに変えて別の宇宙に放り出される。そうして別の時空にやってきたブラックホールは、その身が自由になれば本来の内向きの渦巻きに戻ろうとする。そしてこの動きによって、再びワームホールに近づいて飲み込まれてしまうのである。

 元の宇宙に戻ってきたブラックホールだが、やはりトンネルを通過中に外向きの渦巻きなっている。これを逆回転させることでブラックホールがまたしてもワームホールに飲み込まれ、エネルギーが尽きるまでこれが延々と繰り返されるということだ。

ブラックホールがワームホールに飲み込まれたらどうなる!? 超ブッ飛んだふるまいを見せると判明!(最新研究)の画像3
画像は「Pixabay」より

 これまではその存在を確かめることができなかったワームホールだが、このようにもしもブラックホールと連星の形をとったワームホールがあれば、このような奇妙な重力波のパターンからその存在を特定できることを研究チームは指摘している。

 今回のモデルではワームホールに対してかなり小さいブラックホールを設定しているのだが、もしもけっこう大きなブラックホールだった場合、トンネルを通過している過程においてワームホールを乱して崩壊に導くケースもあり得るという。この場合、最終的にまた新たなブラックホールが生まれるということだ。

 ともあれ今回の研究で、これまでその存在が謎であったワームホールを特定できる糸口が見つかったことになる。とすればワームホールが検知されるという物理学上のエポックメイキングは近いのかもしれない。

参考:「Space.com」、「Science News」、ほか

文=仲田しんじ

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