「縁切りスポット」巡りで見つけた“本当に怖いエピソード”! 呪い、恨み、イジメ、離婚…村田らむが取材!
門をくぐり、細いコンクリート製の通路を進む。排水溝が並ぶ味気ない道だ。
どんつきに赤い鳥居が立っている。鍛冶屋町敬神会と筆で書かれている。
その横に解説の看板が出ている。
『~略~この井戸は“鉄輪の女”が住んでいたところのものだといい、一節には身投げをした井戸ともいわれています。このような伝説から「縁切り井戸」として、縁が切れるなどの俗信がありました。昭和十年には「霊井」となっています。なお、かっては鉄輪できずかれた塚があったということです。』
と書かれていた。
他の資料を当たってみると、
「毎晩丑の刻まいりをして、心底疲れ果てて亡くなったのがこの井戸のほとりだった」
「安倍晴明に調伏され、この井戸のあたりで息が絶えてしまった」
など、微妙に違う話が出てきた。
とにかく、鉄輪を頭に載せて丑の刻まいりをしていた女が、この井戸にゆかりがあったということだ。
1000年の時を経て、いまだに井戸が残っているというのは本当に素晴らしい。さすが古都、京都である。
ただし、井戸はしっかりと木の格子と鉄の網が張られていた。「別れた人にこの井戸の水を飲ませれば願いが叶う」という言い伝えがあったが、すでに井戸は枯れてしまっているようだ。
手水舎は井戸の水ではないようだし、「飲んだり、お持ち帰りにならないで下さい。」と書いてあった。
やっぱり、わざわざ来て水を持ち帰ろうとする人がいるのだろ。
水は持ち帰れないならと、ペットボトルに入れた水を供えて祈り、それを持ち帰る人もいるそうだ。
井戸の隣には、小さな祠がある。発掘された「鉄輪の碑」をご神体にしているそうだ。もちろんご利益は「悪縁切り」だ。
そしてそのすぐ隣には、命婦稲荷社の社が建っている。こちらも小さい社だが、鉄輪の祠よりはずっと立派だ。
命婦神社は「家族円満・商売繁盛」のご利益がある社だ。お隣どうしで真逆の願いである。相殺させようとしたのだろうか?
しかし、むしろ縁を切りたいのは元夫の方だろう。女とはもうすでに縁は切ったつもりであり、新しい女とハッピーにやってるわけである。
「縁を切りたくない」と願っているのは、鬼になった女性の方なのだ。かなりのストーカー気質である。
こういう人は現代にもいる。相手を愛してなのか、恨んでなのか、鬼のようになってしまう人だ。
むしろ
「そういう人と出会いませんように」
と祈りたいところだが、それをここで祈るのは間違っているような気がした。
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