不公平な扱いを受けるとサルも抗議すると判明! 大激怒の様子を激しく撮影、正義の概念は霊長類にもあった!
実は、不公平な状況に怒りを覚えるメカニズムは、太古の昔からヒトの脳に組み込まれている。当時、食べものや住居、パートナー候補となる異性の数は限られていたため、我々の祖先は危機感から生まれる怒りを「生き残りに必要なパワー」に変えてきたのだという。
同じ報酬のために同じ仕事をした場合、サルたちはボス(報酬を与えるリサーチャー)に忠実であることを発見する。しかし、まったく同じ仕事をしたにもかかわらず、不当に扱われたサルは石を打ちつけたり、キュウリを投げつけたりして怒りを爆発させる。アンフェアな支払いに抗議するなんて、なんともイッチョマエではないか。ドゥ・ヴァール教授が言うように、職場の不正に対する人間の自然な反応に、ことごとく似ている。
「この科学研究は、かつて人間だけが理解すると考えられた『正義』の概念が、霊長類にも共通することを証明しました」(ドゥ・ヴァール教授)
ちなみに、オマキザルは心理学の実験室で人間の反応を再現するためによく使われる。アメリカ政府は、ここ数十年でサルの脳実験に1億ドル近くを費やしているそうだ。
いじわるな言い方をすれば、サルは人間の最も浅ましい姿をダイレクトに体現した存在といえる。欲望を満たすためなら、何でもやる。ゆえに「人間はサルと違い、理性がある」と、彼らを切り捨ててしまうことはカンタンだろう。しかし、ドゥ・ヴァール教授の同僚であるサラ・ブロスナン博士が行った研究では、2匹のチンパンジーの一方にだけ報酬をあげると、両方に平等な報酬が与えられるまでブドウの受取を拒否したという。友情に熱い霊長類もいるのだ。
生存本能に突き動かされ生きるサルたち。人間社会の縮図が立ち現れて、興味が尽きない。
参考:「Daily Star」ほか
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