「トランプ支持者はオウム信者と似ている」上祐史浩がぶった斬る! 麻原の“不正選挙の洗脳”と米大統領選の陰謀(インタビュー)
■トランプの姿勢、オウムと重なる
――オウム真理教も陰謀論を用いて信者を扇動していましたね。
上祐 はい。麻原は「世界は悪魔に支配されており、悪魔の手下である国家権力が、真理の救世主である麻原とオウムをマスコミ・警察などを使って弾圧している」と説きました。これはキリスト教の黙示録が説く善と悪の闘いの予言を、自分や日本の状況に当てはめて都合よく解釈したものでした。
そして、90年の衆議院選挙に麻原らが出馬して惨敗した時、「本来は当選していたのに、投票操作のために負けた」と主張しました。その後、民主的な方法で世の中を変えることはできないと主張し始め、教団武装化を進め、暴力的手段で社会を変えようと、地下鉄サリン事件などに至るのです。
私は、(選挙)惨敗の時に、麻原の主張に反して「不正はなかったのでは」と主張し、教団全体から尋常ならざる圧力を受けました。選挙の日に自分独自の出口調査を行っていたので惨敗に終わったことを実感したのですが、私の意見に賛同したのは1人だけでした。そのため、今回の米大統領選挙の話がオウムと結びついてしまったのです。
――敗因を不正選挙ということにして、煽るところは類似しているかもしれません。
上祐 Qアノンの陰謀説は、オウムと比較してもいっそう非現実的なものに感じられますが、その広がりはオウムをはるかに超えて米国社会にまで及び、最近はドイツを含めた欧州にまで飛び火しているそうです。
もちろん、犯罪行為は先程述べたような事例に留まり、大規模なテロ事件がない点はオウムとの大きな違いです。しかし、人命の損失という視点からは、新型コロナに関する陰謀説は、感染予防努力・公衆衛生を大きく損ない、今や25万人にも近づいた死亡者を相当増やしてきた一因だと思われます。そして、今後ワクチンができても、接種を拒絶する問題があれば、終息への道筋も遠のく可能性があります。
さらに、陰謀説は貧富の格差、白人中心主義・人種差別と共に、米国社会の分断の一因となっています。事実の解釈の違いではなく、事実の認識それ自体に違いがあり、あたかもアメリカに2つの国があるようになってしまったのです。
――まさに、陰謀説はアメリカを分断しましたね。
上祐 米国出身のタレント、パックンさんの話は心に響きました。弟と政治的な話ができない。2人の情報源は別々で、重要な事実認識が反対で、「空は青くないと言われたら話ができない」と仰っていました。これは、かつてのオウムと外部社会における事実認識のギャップと非常によく似ています。私は、アレフ(旧オウム)を脱会する前、教団の中で麻原を依然として絶対とする人たちと意見が対立した時にも、同じ体験をしました。
獄中の麻原は、凶悪犯罪により死刑になるか、やがて復活する救世主なのか。一連の事件は事実なのか、それとも濡れ衣の陰謀なのか。事件の賠償はなすべき贖罪か、不要なのか。これらに対する事実認識が違うのです。かつては教団の事件関与を全面否定して社会と戦っていた私が、その後、当局に洗脳されて悪魔の手下に変わってしまったと解釈する人もいました。
――トランプ氏が主張する不正選挙・陰謀説は日本でも広まっています。
上祐 はい、驚きました。ネットで米国発の陰謀説に触れ、それを信じているようですね。もちろん正確なファクトチェックを経た情報もありましたが、陰謀説は瞬く間に広がります。
そして、私が米大統領選で蔓延する陰謀説とオウムでの経験との類似性をネットで投稿すると、予想外に大きな反響がありました。一部の方からは批判をいただきましたが、非常に多くの方の共感をいただきました。ここ日本の、そして私たちの身近にも陰謀説が浸透してきており、それに当惑し危機感を抱いている人の多さを実感しました。その直後、一般のメディアにも同じ趣旨の報道がありました(日刊ゲンダイDigital「不正選挙を訴えるトランプとオウム麻原死刑囚が重なる部分」11月7日付)
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2024.10.02 20:00心霊「トランプ支持者はオウム信者と似ている」上祐史浩がぶった斬る! 麻原の“不正選挙の洗脳”と米大統領選の陰謀(インタビュー)のページです。オウム真理教、ワクチン、麻原彰晃、ドナルド・トランプ、ひかりの輪、上祐史浩、Qアノン、米大統領選挙、新型コロナウイルス、ジョー・バイデン、不正選挙などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで