「トランプ支持者はオウム信者と似ている」上祐史浩がぶった斬る! 麻原の“不正選挙の洗脳”と米大統領選の陰謀(インタビュー)
■支持者というより信者に近い、盲信は危険
――上祐さんはどちらの次期米大統領が好ましいとお考えでしょうか?
上祐 私が一番言いたいことをお伝えするためにも、トランプ陣営とバイデン陣営のどちらが正しいかとか、望ましいかという点に関しては、意見を述べることを控えさせていただきたいと思います。
トランプ氏が、バイデン氏と共に史上最多の得票を得たことや、自由貿易・移民の大量流入も含めたグローバル化の潮流に鑑み、繁栄から取り残されて没落した人々を救った面があることは確かだと思います。しかし、トランプ氏の支持者の中に、陰謀説を信じて利害が対立する民主党や大メディアを「悪魔崇拝者」とまで憎悪し、合理的根拠や証拠も無しに犯罪者と位置づけ、トランプ大統領を「救世主」とまで崇めるのは、是非・善悪の問題の前に、危険極まりないことだと思います。
――危険というと?
上祐 それは、もはや支持者というより妄信状態の信者に近いということです。三密・マスクなしの選挙集会で、熱狂して歓呼すれば、自分や周囲の健康・生命に危険が及ぶということは誰の目にも明らかです(が、信者は気づかない)。実際に救世主であるトランプ氏自身が、自らを新型コロナから守れずに入院しても、感染予防の努力不足ではなく「悪魔の手下の陰謀」という見方しかできなくなってしまう。
そして、陰謀論の最大の問題は、どちらが正しくどちらが間違っていようとも、社会を善悪で真っ二つに割ることになり、民主主義の破壊に繫がることです。他人を“悪魔”とまで位置づけてしまうと、民主主義の前提である「万人の人権を法の下で平等に尊重し、選挙や裁判という民主的システムで意見の対立を解決する」ことは難しくなるからです。悪魔の人権は尊重できませんよね。いつしか「悪魔には何をしても良い」となり、暴力行為も正当化されかねません。すでに米国では(選挙結果に起因する)数件の暴力犯罪があったとされています。
これを逆に言えば、人類にとって最大の暴力行為である戦争の際は、相手を悪魔と見なす陰謀説が現れるのが常だと思います。ナチスはユダヤ人陰謀説を唱え、大日本帝国は英米を鬼畜と呼び、イラク戦争時の米国は(後から間違いだと判明しましたが)イラクのフセイン体制について「大量破壊兵器を持ったテロリスト国家」と位置付けました。
――なるほど、一方的な正義のために相手を尊重する姿勢を忘れてしまう、と。
上祐 陰謀説を信じている方のためにも言いますが、私はオウムでの経験を通して、陰謀論が支持者にとっては真実に見え、嘘を言っているつもりもなく、もっともらしい論理や証拠に見える情報もあることを知っています。
しかし、それが客観的な批判精神で検証されることはありません。信じる人の間では、それを肯定する情報ばかりが積み上げられ、否定する情報は(汚れた悪魔の情報として、それに感染しないように)拒絶され、信じない人とは別の世界が出来上がるのではないでしょうか。
突き詰めれば、陰謀説を信じるか否かは、(本人が気づかないうちに)それが正しいかどうかよりも、「信じたいかどうか」で決まっている。さらに言い換えれば、「それが心地よく自分の苦しみを和らげるかどうか、それを提唱する人が好きかどうか」という主観的な感情によるものが大きく作用していると思います。好きなものは、なくても見るし、嫌いなものはあっても見ない。心理学では、確証バイアスなどと呼ばれる状態ですね。
よって、皆さんの周りで陰謀説を深く信じている人に対しては、合理的な視点から否定しても効果がない場合があります。強く信じたいと思っていることを論理的に否定されても、自分の大切なものを奪う敵(悪魔)と認識され、ますます身心を守ろうとして頑なになるケースです。
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2024.10.02 20:00心霊「トランプ支持者はオウム信者と似ている」上祐史浩がぶった斬る! 麻原の“不正選挙の洗脳”と米大統領選の陰謀(インタビュー)のページです。オウム真理教、ワクチン、麻原彰晃、ドナルド・トランプ、ひかりの輪、上祐史浩、Qアノン、米大統領選挙、新型コロナウイルス、ジョー・バイデン、不正選挙などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで