「トランプ支持者はオウム信者と似ている」上祐史浩がぶった斬る！ 麻原の“不正選挙の洗脳”と米大統領選の陰謀（インタビュー）

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■オウムが「不正選挙を主張」その裏で起きていたこと

――陰謀論は確証もないけど、反証も難しいですからね。

上祐　　陰謀説には、その証拠らしく見えるものが存在することがあります。オウムが不正選挙を主張した際にも、そうしたものがありました。投開票日の夜にテレビ局の車両が本部の近くに来たので、信者がその理由を聞くと「麻原さんが当選した可能性があるらしい」と言われたという話がありました。同様の主旨の電話を、NHKを自称する人がかけてきたという信者もいました。そして選挙後に有権者を巡ると「麻原に投票した」という人々が選管発表より多かったという話も現れました。

　しかし、実際に投票したことを確認する書面を提供してくれた人の数は選管発表よりも少なく、顧問弁護士が（全員が証言してくれても）結果が覆る規模ではなく、訴訟はできないと言いました。あいまいな伝聞情報、証拠にならない証言、選挙結果を覆すには遠い程度の小さな疑惑、訴訟は無理だと言う弁護士。これらは、次々と訴訟が却下され、訴訟から離脱する弁護士が出ているというトランプ陣営で今まさに起こっていることではないかと推測しています。

　それでも、テレビ局の話などを聞いた幹部信者は「これで決まりだ」「やっぱり票操作があった」と熱狂していました。これは、今思えば、麻原をとても信じたいのに、それに疑問を呈されて苦しんでいた人たちが、信じる助けとなる情報を得た喜びだったのかもしれません。当時はそう思えず、私は彼らの熱狂に落ち込んでいました。

　結果として、「麻原は当選していた」と機関誌で発表がなされました。最後に麻原は、私に対して「（不正を否定した）お前は、一生懸命に選挙活動をやったサマナ達（出家修行者）の気持ちを傷つけたんだよ」と言いました。善悪は別にして、傷つけたことは事実だと思います。そして、この記事も一部の皆さんの心を傷づけているかもしれませんね。

――エンターテインメントとしての陰謀論は面白いですが、政治に持ち込むと危険ですね。

上祐　　政治などの重要な事柄に関して、証拠と合理的な判断で事を決さず、好きなものを信じるならば、悲惨な結果が待っています。それは、社会の分断・民主主義の崩壊、最悪は独裁体制の到来という惨事です。

　オバマ元大統領は、トランプ氏から「米国で生まれておらず大統領資格がない」と批判され（実際はハワイ当局者が元大統領の出生を証明）、Ｑアノン陰謀説では“悪魔崇拝者”とされましたが、テレビ局のインタビューに「今の米国は、陰謀説の蔓延によって『真実の腐敗』という大きな課題に直面し、民主主義が危機にされている」と語っていますね。

〜つづく〜

※ インタビュー中編（11月29日12時に配信予定）では、トランプを支持する陰謀論者のヤバさ上祐氏が徹底解説する！

文＝深月ユリア

深月ユリア

ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血をひき、魔女占い師・魔女優・オカルトライター・ホラー映画プロデューサーとして国内外で活動。深月事務所代表。最新刊『世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに』（明窓出版）大好評発売中！
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