イースター島の謎に衝撃の新説登場! 仮説を覆す証拠発掘、島は〇〇の製造工場だった!?(最新研究)
新年早々、南海の孤島から、思いがけないメッセージが舞い込んだ――。
■イースター島にはかつて大規模な顔料の生産場があった
南太平洋に浮かぶイースター島といえば、いわずと知れたモアイ像だ。古のロマンに満ちた神秘の島は、考古学の聖地でもあるが、実は先ごろ、これまでの仮説を覆すような新発見がもたらされたという。
発表したのは、デンマークのモースゴー先史博物館、ドイツ・キール大学そしてスペインのポンペウ・ファブラ大学の科学者と考古学者からなる研究チームだ。
イースター島(現地語名「ラパ・ヌイ」)の先史時代に関する発掘調査を行っていたところ、島の最高峰である火山マウンガ・テレバカの傾斜地で、「赤色顔料」が露わになった有史以前のピット(穴状の遺構)が数百所で見つかったという。
少しおさらいをすると、これまでイースター島の文明は1600年頃に環境や生態系の激変により崩壊したとされてきた。アメリカの進化生物学者ジャレド・ダイアモンド氏は、著書『文明崩壊』(2005年)の中で「イースター島では、モアイの運搬用に大規模な森林伐採をしたため、島からは森が消え、食料となる野生動物が消え、部族間抗争により人口が激減した」と説明している。
しかし、今回の赤色顔料が生産されていた痕跡は、これまでの仮説に相反して、後期先史時代に行われた森林伐採に関係なく、島民の文化的生活は維持されていたことを示す重要な手がかりとなった。
この赤色顔料だが、かつてイースター島では、赭土(red ocher:褐鉄鉱を含む土)から赤みを帯びた色素を抽出していた。これはモアイ像だけでなく、岩絵やペトログリフ、古代の埋葬の儀式にも用いられたという。そのため、顔料の存在は専門家の間ではよく知られていたが、その掘削場所や製造工程については詳しく解明されていなかった。
今回、発掘チームは4つのピットから採取したサンプルで研究を重ねた結果、島に大規模な顔料の生産場があったことを確認できた。これらのピットには、酸化鉱物のヘマタイトと赤みを帯びたマグヘマイトの超微細粒子を豊富に含む顔料の層が、帯状に交互に残っていたという。これは意図的な燃焼が繰り返し行われていた証拠とされ、より鮮やかな色合いを得るために加熱された可能性がある。また、いくつかのピットは蓋で覆われており、顔料の生産と貯蔵の両方に使用されていたことも判明した。
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