「現実がシミュレーションであると証明する」AIアルゴリズムが開発されてしまう! 時空はデジタル、宇宙は単純!?
物理学者が現実がシミュレーションであることを証明する可能性のあるAIアルゴリズムを開発したというニュースが舞い込んできた。知的情報サイト「Big Think」(3月1日付)が報じた。
米・プリンストン大学の天文学者Hong Qin教授は、惑星軌道を予測するアルゴリズムを組み込んだAI(人工知能)を開発。太陽系の惑星の軌道を予測するため、水星、金星、地球、火星、セレス、木星の軌道のデータで訓練したという。このアルゴリズムは他の対象にも有効であり、現在はプラズマの粒子の挙動を学習させているそうだ。
Qin教授は哲学者ニック・ボストロムが提唱する世界のシミュレーション仮説に触発されて、このアルゴリズムを開発したという。ボストロムによると、人類よりも進んだ文明は、宇宙のシミュレーションに関心を持っているはずだから、我々はベースとなる現実世界ではなく、シミュレーション世界にいる可能性の方が高いとされる。
ここで重要となるのが、シミュレーションの可否であるが、Qin教授はボストロムの議論を補強するため、ある程度の宇宙のシミュレーションは可能であるという実例を提供したというわけだ。またQin教授は、宇宙全体をシミュレートしているアルゴリズムは単純だと考えているという。
「宇宙のラップトップ上で実行されているアルゴリズムは何でしょうか? もしそのようなアルゴリズムが存在するとしたら、それは離散的な格子時空上で定義された単純なものであるべきだと私は主張します。宇宙の複雑さと豊かさは、ラップトップの膨大なメモリサイズとCPUのパワーから来ていますが、アルゴリズム自体は単純なものである可能性があります」(Qin教授)
物理学では時空は連続的なものとして扱われているが、もし離散的(デジタル)であるとすれば、宇宙はピクセルとデータ点で構成された映画『マトリックス』のような世界であるとのことだ。Qin教授によると、時空は離散的に扱った方が「自然」とさえ指摘している。つまり、時空が離散的な構造をしていることが今後明らかになっていけば、シミュレーション仮説もより現実味を帯びてくるということだ。今後の研究にますます期待したい。
参考:「Big Think」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「現実がシミュレーションであると証明する」AIアルゴリズムが開発されてしまう! 時空はデジタル、宇宙は単純!?のページです。人工知能、シミュレーション仮説、ニック・ボストロムなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで