謎の巨人「ダークウォッチャー」とは?300年間目撃され続ける黒い巨体、ノーベル賞作家も目撃!

■パレイドリア説、ブロッケン現象説も浮上

 目撃報告の多さからいっても、確かに存在していることは間違いないと思われるこのダークウォッチャーをどう説明したらよいのだろうか。

 サンフランシスコの地元紙「SFGate」の編集局長であるケイティ・ダウド氏によれば、ダークウォッチャーを説明する1つの理論は、それらは単にパターンを求める心の産物であるとするものだ。言い換えればそれはパレイドリア(pareidolia)の典型的なケースであり、観察者の脳が漠然としたランダムな画像から何らかのパターンや特異性を見つける心理的現象が起きているというのだ。

 パレイドリアは、一部の人々が月に“人面岩”を見たり、焦げたトーストに“イエスの顔”を見たりすることで、この場合、サンタ・ルチアの頂上の通常の影は、視聴者の脳によって背が高く、マントをまとった人物であると解釈されていると説明できるという。長い影が丘陵を飾る夕刻にダークウォッチャーが出現していることも“パレイドリア説”の説得力を強めているという。

 ダウド氏によれば、この無意識にパターンを探し求める効果は、霧や低空飛行の雲の存在によって増幅される可能性があるという。雲に映る影は、ブロッケン現象(brocken specter)として知られる別の錯視現象でもあるのだ。

ブロッケン現象。御嶽山王滝頂上にて Alpsdake – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

「ハルツ山地近くの地元のドイツ人たちは、何世紀にもわたって、ブロッケン山頂に影のような人物を見たと報告しています。実際には、ブロッケンの幽霊は、ハイカーのような影が特に霧の深い山の頂上に投影されたときに起こります。太陽が観測者の後ろにある場合、霧は影と戯れ、巨大で威嚇的なものに見えるのです」(ケイティ・ダウド氏)

 BBCによると、奇怪な人影は通常、霧や雲の中の水滴から屈折する太陽光によって生成される虹色の後光に囲まれているという。ハルツ山地では低い高度で霧が頻繁に立ち込めていることも、このブロッケン現象を起きやすくしているという。

 飛行機の窓から真下の雲にその飛行機の巨大な影を見たことがある人もいるだろうが、それと同じようにサンタ・ルシア山脈のハイカーは、自分の拡大された影を見てダークウォッチャーだと思い込んでいる可能性もあるということだ。

 ダークウォッチャーについてこのようにいくつかの科学的な説明が可能であるようだが、ご存じのようにアメリカは謎の巨大UMA、ビッグフットのお膝元である。この黒い巨人も、我々がまだ確認できていない未知の生物である可能性もないわけではないと思いたいところだ。

参考:「Live Science」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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