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「意識は脳の電磁場に宿る」脳のWi-Fiで無線エネルギーをキャッチ! 自由意思の謎に迫るセミ・フィールド理論とは?



■意識を持ったAIの可能性

 神経細胞の活動の結果として我々は行動を起こしているのだがそのプロセスは“無意識”であり、自由意志を伴った行動とはならない。2002年の論文でマクファデン教授は、自由意志は自発的な行動を開始するためにニューロンに作用する電磁場の経験であると提唱し、そしてこの現象こそが意識であると定義したのだ。

 こうして意識と無意識が明確になることで、行動のメカニズムの理解も進むことになる。つまり脳内の化学反応レベルで促されている行動は無意識の行動であり、一方で電磁場の“無線通信”によって引き起こされた行動は意識的な行動ということになるのだ。無意識の行動や動作は複数を同時に行うこともできるが、意識的な行動は、通常は1つのことしかできないこともこれで説明がつく。

 セミ・フィールド理論はまた人工知能開発の可能性を切り拓くものでもある。

 場の古典論によれば意識を持つAIを作ることは不可能なのだが、電磁場によって意識が発生しているのだとすれば、人工的に電磁場を作ることでAIにも意識を芽生えさせられる可能性があるのだ。

画像は「Unsplash」より

 従来のコンピュータの計算方法(2進数)とは異なる理論ゲートのアーキテクチャを電磁場の“無線通信”に適応させることで、意識を持ち「一般的知性」を備えた全く新しいAIを開発できる未来が拓けてくるのである。

 このセミ・フィールド理論が今後どのような展開を見せるのか、マクファデン教授の研究に引き続き注目していきたい。

参考:「Aeon」ほか

 

文=仲田しんじ

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