ダウンタウン浜田の禁断の発言、オリラジ中田の突破力、楽屋の西野亮廣の一面…評論家と芸人からみた「お笑い7つの世代論」
ラリー:たぶん相手じゃなくて自分の中にしっかりした軸があるんですよね。相手に合わせようとかじゃなくて、自分の戦略ではこういう感じで行けるはずだ、みたいな。
最近も中田さんが前言撤回で話題になっていたじゃないですか。「YouTubeで顔出しするのをやめる」と宣言しておいて、数日後に「やっぱり顔出しします」と訂正していて。あれも周りからは「何なんだよ」って言われるだろうけど、たぶん本人はあまり気にしていないと思うんですよ。いや、別に、戦略を変更しただけですよ、みたいな。世間の反応をいちいち気にしない感じは強いですよね。
キックさんはオリラジとはほぼ同期くらいだと思うんですけど、あちらがバーッと売れていったときに、悔しいとか嫉妬すると思ったことはないんですか?
キック:いや、総合力とか全部含めて見たら、素直にすごいなと思っちゃいますね。
ラリー:では、上の世代の芸人で衝撃を受けたのって誰ですか?
キック:やっぱりダウンタウンの登場はショックだったんですよね。僕は東京育ちなので、ずっとたけしさんとかとんねるずさんとか東京芸人をフォローしてきたんですけど、それがすべて打ち壊されて、関西から来たカリスマがどんどん席巻していくという。高校のクラスの中での笑いの雰囲気とか、どの芸能人が好きか、みたいなのがガッと一気に色が塗り替えられていった感じがあって。
ラリー:たしかに、テレビのお笑いって基本的にはずっと東京寄りの流れだったんですけど、ダウンタウンから一気に変わりましたよね。
キック:当時ダウンタウンのラジオを聴いていてすごかったのが、浜田さんが「●●と現場が一緒だったけど、あいつ全然面白くなかったわ」みたいなことを平気で言っていたんです。ダウンタウンはそうやって破竹の勢いでほかの芸人をつぶしていったんですよね。
ラリー:今でこそ言わなくなったけど、最初の頃は結構言っていましたよね。みんなそうなんだろうなとは思うんですよ。たけしさんやタモリさんも初期には結構めちゃくちゃ言っていたらしいじゃないですか。
キック:たけしさんは萩本(欽一)さんを1回壊しにかかっていましたもんね。否定することによって、これからは自分たちの時代だという空気を出していた時期があったから。
ラリー:あと、この前、昔の番組の映像を見ていて、若い頃の(明石家)さんまさんが萩本(欽一)さんの番組に出たときのやり取りがすごかったです。欽ちゃんがアドリブでいろいろな振りを仕掛けていくんだけど、さんまさんがそれに乗らないで、全部つぶしていくんです。つぶした上で、そこに自分のボケを放り込んでいく。お互いが相手の振りに乗らずに主導権争いをしていて、ケンカみたいになっているんですよね。それは面白かったです。
やっぱりその世代の人って本気でつぶし合いをしていたんですよね。上をつぶさないと自分が上がれないという感覚があるから。本でも書きましたけど、たけしさんは団塊世代だからとにかく人数が多いわけですよ。目の前にあるおかずは自分が取らないと誰かに取られちゃうという世代。受験戦争も激しかった。だから、とにかく好戦的なんですよ。
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2024.10.02 20:00心霊ダウンタウン浜田の禁断の発言、オリラジ中田の突破力、楽屋の西野亮廣の一面…評論家と芸人からみた「お笑い7つの世代論」のページです。キック、ラリー遠田、お笑い世代論 ドリフから霜降り明星までなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで