地球に宇宙から来た塊「テイア」が埋まっている痕跡発見! 月はそこから生まれた副産物… ジャイアント・インパクト説に有力証拠か!
地球のコアは“ヘッドホン”をしていた――。地球の核となるコアの両側に、高密度の巨大な塊がまるでヘッドホンのように埋まっているというのだが、その正体について驚くべき研究結果が報告されたようだ。
■テイアの残存物が地中深くに埋まっている
月の成り立ちには謎が多いのだが、近年ますます支持を集めてきているのが「ジャイアント・インパクト」説だ。まだ原始惑星であった頃の地球に火星サイズの惑星「テイア(Theia)」が衝突、砕け散った高温の岩石が集まって融合した結果、月が形成されたという説である。しかし、衝突したテイアの痕跡はこれまで地球上では発見されていない。
それもそのはず、実はテイアの残存物は地中深くに埋まっているということが最新の研究で報告されたのだ。
アリゾナ州立大学の科学者チームが2021年3月にオンラインで開催された第52回月惑星科学会議(LPSC)で発表した研究は、地球のマントルにある大きな塊の物質(LLSVP)が、地球に衝突したテイアの破片である可能性を示唆している。
1つはアフリカ大陸西部の下に、もう1つは太平洋の下にあるLLSVP。その存在は世界中の地震測定値を研究することによって浮き彫りになってきた。地震波がLLSVPにぶつかると、伝達速度が低下するのだ。これはLLSVPが他のマントルよりも密度が高いことを示しているのである。そしてLLSVPは“異物”であり、もともと地球を構成していた物質ではないことになる。
テイアが地中に埋まっているというアイデアを裏付けるため、アリゾナ州立大学のチームは、約45億年前の地球を描いたモデルを作成し、火星以上の大きさの惑星との衝突があった場合に何が起こるのかシミュレーションした。そして理論化された惑星テイアのマントルが豊富に鉄分を含んでいることからマントルの密度が高くなると仮定したのだ。
彼らのシミュレーションによると、地球に衝突したテイアはほとんど破壊されてしまい、月を形成する破片が宇宙に飛び散り、テイアのマントルの断片が地中に埋まって地球のマントルにまで到達した。そして数十億年の歳月をかけてテイアのマントルの断片は融合し、2つの大きな塊になったということである。
また、このシミュレーション結果は、少なくともLLSVPの化学的特徴がテイアと同じくらい原始的であることを示唆する以前の研究とも一致しているという。
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2024.10.02 20:00心霊地球に宇宙から来た塊「テイア」が埋まっている痕跡発見! 月はそこから生まれた副産物… ジャイアント・インパクト説に有力証拠か!のページです。月、マントル、惑星衝突、ジャイアント・インパクト説、テイア、原始惑星などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで