「オレンジ色の目をした」伝説のフクロウが再発見される! 100年ぶりに人類と再会、学者がショックのあまり…!=ボルネオ島
鮮やかなオレンジ色の目を持った、非常に珍しいフクロウが再び人間の前に現れた。このフクロウが最後に出現したのは、100年以上も前のことだった。 衝撃の論文が最近「The Wilson Journal of Ornithology」に掲載された。
■神話上のフクロウが目撃される
この珍しいフクロウは、ラジャーオオコノハズク(Otus brookii)のボルネオ亜種で、1892年にボルネオ島北部、マレーシア領サバ州の山地林で最初に記録された。しかしそれ以来、その所在は不明のままとなっていた。
しかしこの謎のフクロウが、2016年5月にサバ州にある標高1650mのキナバル山に現れた。
このフクロウを目撃、確認したのは、米スミスソニアン保護生物学研究所、保護生態学センターの生態学者アンディ・ボイス博士だ。その当時、ボイス氏は博士号取得のために、キナバル国立公園研究所で研究活動をしていた。
「この神話上の鳥を最初に見かけた時には、ショックと興奮を覚えました。それから、できるだけ記録に残さなければならないとの思いが強すぎて、不安も感じました」とアンディ・ボイス博士はその時のことを語る。そして博士はまた「大きさ、目の色、生息地から、私はそれがボルネオのラジャーオオコノハズクであることがわかっていました」とも話す。
博士が撮影しようとすると、フクロウはいったん飛び去ったが、驚いたことにまったく同じ場所に舞い戻ってきた。
ラジャーオオコノハズクは、体重約100グラムで体長は最大24センチの小さな鳥だが、色も見た目も荒々しい羽毛、胸に黒い縞、内側が白い特徴的な耳房、そして鋭いオレンジ色の目、という印象的な外観を持っている。博士に目撃されたラジャーオオコノハズクも、やはり約100グラムと推定されており、この地域に生息する他の夜行性の鳥よりも25%大きい。
このとらえどころのないフクロウとの邂逅は2時間ほど続いたが、フクロウは再び森に消えた。
その後ボイス博士は、2週間近く(そして時には夜中も)この珍しいフクロウを目撃した地域に戻ったが、ラジャーオオコノハズクは二度と現れなかった。
「この集中的な調査中に、私たちが一度しかこのフクロウを目撃しなかったということは、フクロウはおそらく調査地域より上、またはかなり下の森林に住んでいることを示しています」(ボイス博士)
そしてキナバル山のその地域は気候変動、森林伐採、パーム油の開発が進み、生息地が脅かされている地域だと博士は指摘する。ボルネオの生物は、生息地の縮小から絶滅に追いやられる危険にさらされているのだ。
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