デジタル暗号資産「NFT」がとんでもなくヤバい価値を生み出す話! この世の全てが権利化、離婚や結婚も…!
「おれ大谷選手の25号ホームランの権利持っているんだよね」
「ええ、あのトロピカーナフィールドの最上段に打ち込んだ特大のやつ? いいなあ」
などという会話がもうすぐ、普通に交わされる日がくるという話を知っていますか。
「デジタル暗号資産・NFT」の価格が高騰している。今のところ最高値はツイッターの創業者の「just setting up my twttr」(たった今、自分のツイッターを設定した)という世界最初のツイートの権利で、オークションでの落札価格は3億1700万円だ。
●NFTとは?
NFTの仕組みを簡単に説明すると、仮想通貨と同じブロックチェーン技術を使って、デジタルアートなどの作品に唯一無二の価値を保証するものだ。
TikTok動画のようにデジタルでの表現は瞬時に世界中でバズることができる一方で、その権利の確保は簡単ではなかった。少なくともこれまでは。そこで、そのような権利を確保する手段としてNFTが誕生した。
当初はネットで流通するデジタルアートの作品価値を守る目的で誕生したNFTだが、一度誕生してみるとその適用範囲がとても広いことが判明し、ビジネス界隈がざわつきだした。冒頭の大谷選手のホームランの例で説明しよう。
あの美しくも暴力的なアーチに魅入られたファンが、大谷選手の25号の権利をどうしても自分のものにしたいと考えたとしよう。MLBはNFTを使って公式動画に唯一無二の権利を付与して、それをオークションで売り出すことができる。ファンが500万円でその動画を落札して、以降、それを自分のものとして大切に自分のスマホに保存することができるようになる。
熱狂的なアートのコレクターが買い取った作品を秘蔵するように、「以後、あの25号の動画は持ち主本人以外は観ることができない」と宣言することも可能といえば可能だ。だがそうではなく、「世界中のメディアで25号の動画が見られるたびに10銭ずつ持ち主に使用料が落ちる」ように設定することもできる。こうすれば、仮に1億再生されれば1000万円の収益となり、購入した投資額はたっぷりと回収できる。
さらに権利を分割することも可能だ。たとえば世界で大谷選手の25号の公式動画を持っている人は10人だけだという状況だ。その際の権利の利用料はあらかじめ決めておくことができる。上記の例だと10人の所有者に1利用ごとに1銭ずつ利用料が入ることにしておくわけだ。
そして10人の持ち主はそれぞれ権利を転売もできる。50万円で購入したNFTによる権利をメルカリに出品しておけば大谷選手の熱狂的なファンが250万円で買ってくれるかもしれないわけだ。
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