【重要】「睡眠状態を検知する技術」アマゾンに開発許可が出る! 最後のプライベート“眠り”の侵略を狙う巨大企業の思惑
■狙われた睡眠時間という“ブルーオーシャン”
同じく人々の就寝時に興味を持っているのがビール会社の「クアーズ」だ。
先月にトカナの記事でもとりあげたが、同社は「夢の中で広告を見させる」動画を開発して就寝前に視聴してもらうキャンペーンを行っている。
キャンペーン参加者の中には実際に夢の中にクアーズのビールがあらわれたという者もいて、夢の中で“広告”を見させるというアイデアはそれほど突飛なものではなく、高い確率で実現できる可能性があることが示唆されることにもなった。そしてこのように夢に介入する技術はTDI(Targeted Dream Incubation)と呼ばれるようになり、現在も各方面で研究が続けられている。
しかしこのクアーズの取り組みが危険であるとして警鐘を鳴らしている専門家の1人がハーバード大学医学部の認知神経科学者、ボブ・スティックゴールド教授だ。
「TDI広告は楽しい仕掛けではなく、大きな落とし穴が待ち構えています。これらのテクノロジーの誤用の可能性は明らかに不吉なものです」(ボブ・スティックゴールド教授)
人に特定の夢を見させる技術は専門家によれば何千年も前から存在しているということだが、この10年で技術は目覚ましい進展を遂げていて、より的を絞った夢への介入ができるようになっているという。
2014年の調査によると、喫煙者が眠っている間にタバコの臭いや腐った卵の臭いにさらされた場合、翌週の喫煙は30%少なくなることが報告されている。また夢に介入することで人種的偏見を減らすことができるともいわれている。
そして前出の“睡眠検知機能”を備えたアレクサのような機器とこの技術が結び付いた時に“1984年的悪夢”が訪れるという。「1984」とはもちろん同名SF小説で語られる超管理国家というディストピアの到来のことである。
「広告主がこれらのデバイスで広告時間を購入し、彼らがそれらを聞いていることを誰も知らないという、“1984”の状況が発生する可能性があります」(ボブ・スティックゴールド教授)
就寝時にある意味で強制的に聴かされる音源などによって、夢の中で広告を見せられるというのは確かにディストピアであろう。消費者の可処分時間の中で最後に残された睡眠時間という“ブルーオーシャン”が各企業のマーケティングに活用される日が来るのだろうか。テクノロジーの暴走を許さないためにも、厳しいチェックと議論が求められている。
参考:「The Sun」、「Yahoo! News」ほか
文=仲田しんじ
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