「100%霊が出るスポット」を突き止めた男・木原浩勝インタビュー! 日本最恐の心霊物件で怪異連発の映画『怪談新耳袋Gメン』を語る【心霊写真アリ】
◆この世ならざるモノと交信できた!?
木原 今回、撮影スタッフたちは最後の最後まで“この世ならざるモノ”の姿を撮影しようと朝の4時ごろもまだ粘っていましたが、その時のことです。頭の中に伝った気持ち「もういいでしょう。もうこのへんにしておきましょう」を口にしました。すると角さんも「そう!! 私もそんな気がしました」と言いましたよね。
角 はい、確かに言いました。私も自分の目でしっかりこの世ならざる者の姿を見たかったのですが、これ以上粘ると、なにか嫌なことが起きそうな気がしていて、それを木原さんが先に口に出してくれてホッとしたんです。
木原 さらに「もうやめましょう」と言ったその時、スタジオの鏡から水がツーっと垂れてきました。
角 あれは間違いなく霊からのアンサーだと思いました。「そうです、もうお帰り下さい」っていう。
木原 ね、タイミングが重なると人はそこに意思を感じてしまうんです。
角 あれ以上粘っていたらどうなっていたのでしょうかね。
木原 現場を荒らすと現象が起こらなくなる、というか出方が変わってしまうかもしれません。とにかく、今までのように“出る”ことはなくなってしまっては困ります。あと、何かが怒りそうだという感じがしました。「もう、いい加減にしなさい」という空気があの場所に現れた気がしたんです。角さんもそれを感じていましたね。
角 めちゃくちゃ感じていました。圧のようなものがありました。圧と言えば、私はあの場所に入った瞬間に、足の下からぞわーーーーっと寒気がきたんです。あんな体験は初めてでした。心霊スポットはたくさん行っていますが、あんなに気持ちの悪い感じは初めてでした。ずっといると慣れてきたので、寒気もなくなりましたが、最初ヤバかったですね。
木原 説明しにくいけれど直感は、とても大事。慣れていくっていうのは怪異を見逃すことでもあるから。たとえば自分の家の猫が二足歩行してても、毎日見てると怪異だと感じなくなってしまう。そこへ普通に四足歩行し始めると「あれ、大丈夫?」と妙な気持ちになったりします。できるなら、怪異は常に記録して、最初の違和感を忘れないようにしておくと、世の中ちょっと面白いでしょう。
角 なるほど。
◆過去、スタジオで巨大な顔を見て失神した人も…ビル全体が妙!?
霊の足跡写真も!
木原 今回特に起こったのが、電気の調光現象でした。あの時つけていた電球は舞台用ではないので調光できません。ONとOFFのみ。でも、現実に調光したり、消えたり、ついたりといった現象が起きました。まったく説明できませんね。
角 まさにそうでしたね。ちなみに、あのスタジオに通っている劇団員たちは幽霊を見ているのでしょうか。
木原 見ています。取材して証言を取っています。古株の人は、みんな目撃しているんですよ。あと、あのビル全体が妙だと思っています。だから、全員エレベーターが怖くて誰一人は霊が出るから乗らずに4階まで昇り降りしています。役者の中にはレッスンスタジオ(4階)の窓の外に大きな男の顔を見て失神した人もいたしね。
角 すごすぎる……。確かに、あのビル全体が妙ですよね。「1階に昔、有名なお菓子屋が入っていたが、幽霊が出ると噂になって潰れた」「お菓子屋の後、コンビニが入ったが漏水して水浸しになって撤退した」などの話もありました。映画ではカットされましたが、あのビルの階段でも怪異が起きましたね。4階の踊り場に小便と思しき水たまり(ニオイで小便と判断)があって、気持ち悪いねなんて話していたのですが、少し目を離した隙に、子供のはだしの足跡のようなものがクッキリついたんです。何者かが水から一歩二歩と歩き出したような跡でした。
木原 写真を撮りました。あの階段も出るのだそうです。
◆心霊スポットはなぜ誕生するのか?
角 いったいなぜあんなに霊が出まくるのでしょうか。もはやポルターガイストレベルでした。というか完全にポルターガイストを体験したと思っています。
木原 すべての因果関係は不明なのに無理に求めてはだめでしょう。ほとんどの人間かならず因果関係をつけたいと思います。しかし、確かなことは不明のままだし、正しいのなら、どこにだって霊が出てこないとおかしい。人が死んでない土地なんてないんですし……。
角 本当にそう思います。
木原 因果関係を勝手に作ると真実には辿り着けないし、大事なことを見逃して起きた現象を読み解くことができない気がします。なぜそれが今起きているのか、先入観をもたずに現象と正しく向き合う努力こそが、怪談をやっている人間にもっとも必要なことなのです。
角 納得です。あそこは自殺者がいるからとか、事故死したから…とか説明をつけたくなりますが、今回の心霊スポットを通じてそれは無理があると感じました。小さい少年、ずぶ濡れの女、そして体の一部しかない霊、階段から覗く女…いろいろな霊が集まっていて、それぞれに理由をつけるのは不可能なレベルですよね。とにかく集まってしまった怪異の場所。それが今回の心霊スポットだと思います。私の人生で最も貴重な心霊体験でした。こんな本物を体験できるとは思っていなかったので、本物ってあるんだなと思いました。木原さんありがとうございました。
このインタビューを通して、ついに“本当の怪異”を収めたドキュメンタリー映画が誕生したということが読者に伝わってくれていると嬉しい。本作『怪談新耳袋Gメン ラスト・ツアー』をきっかけに、通俗的に言われる「心霊スポット」映像の世界(概念)に大変革が訪れるはずだ。これまで我々が見てきた、あるいは撮ってきた心霊映像とは一体なんだったのか。「どうせ心霊スポットに行っても霊など撮影できないのだから“幽霊っぽい”“音がしたっぽい”というレベルで騒いでいればいいや」というナメた姿勢で許されてきた業界に一矢を報いた本作をぜひ、その目でご覧いただきたい。
<上映情報>
キネカ大森にて4回上映
日程:8月21 日(土)14:00 の回 ※上映後舞台挨拶
日程:8月28 日(土) 17:45 の回 ※上映後舞台挨拶
8/24(火)20:00
8/31(火)16:00
【登壇者】
8月21 日(土)登壇者(予定):後藤剛[シャイカー社長]、佐藤周[本作監督]、山口幸彦[キングレコード] 、木原浩勝[「新耳袋」著者]、村上賢司[映画監督]、角由紀子[TOCANA]
8月28 日(土)登壇者(予定):後藤剛[シャイカー社長]、佐藤周[本作監督]、山口幸彦[キングレコード]
「夏のホラー秘宝まつり2021」
公式サイト http://horror-hiho.com/
©2021怪談新耳袋製作委員会 BS-TBS/キングレコード
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