残酷で異常な未解決「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」の犯行内容から浮かび上がる奇妙な犯人像
そもそも、犯行後の限られた時間の中で的確に証拠隠滅を行い、その後も逃走し続けられるようなタイプの人間が、それこそ飛び込み営業のように、いきなり被害者宅へと押し込むだろうか。もしかしたら、夫であるAさんが在宅していたかもしれないし、正確な家族構成がわからなければ、それ以外の親族などがいるかもしれないのだ。事実、Bさんは被害に遭う直前と推測されている時刻には、子供を伴って自宅を訪れた女友達・Cさんと、お茶を飲みながら談笑していたのである。彼女たちと鉢合わせしても何ら不思議ではなかったのだ。そんなリスクを抱えてまでこの事件を引き起こすような大胆不敵な人間が、ある意味、「チマチマ」と、犯行後に証拠隠滅を行うだろうか。普通に考えれば、そのままの状態で逃走するなど、かなりデタラメで、大雑把な行動をとっていたほうがしっくりとくるのだ。
こうした点から筆者が感じるのは、この犯人には、解離性同一性障害のような部分があり、強い衝動を抑えきれずに凄惨な犯行に及ぶ人格と、冷静沈着に後始末や事前の準備などを行う「別の顔」が時々入れ替わりながら、あるいは共闘する形で、犯行に及んでいたのではないかという推測である。
だとすれば、日頃、衝動的な部分が外に現れさえしなければ、犯人はこの事件がもたらすイメージとはまったく一致しないような、それこそ、周囲の人々から見て、穏やかで生真面目な、善良な一市民に見えてしまう可能性もある。無論、これは筆者の推測に過ぎないが、そうした特徴を持つ犯人であるがゆえに、捜査線上には一向に浮上せず、結果として事件を解決から遠ざけたのではないかとも思えてしまうのだ。
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2024.10.02 20:00心霊残酷で異常な未解決「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」の犯行内容から浮かび上がる奇妙な犯人像のページです。殺人、妊婦、赤ん坊、解離性同一性障害、未解決事件シリーズ、名古屋妊婦切り裂き殺人事件、証拠隠滅などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで