「奇妙な夢ほど脳に良い」コロナで奇妙な夢が増えた理由 変な夢を見る理由

 時になぜ我々は奇妙な夢を見るのか。そこには人間の脳に隠された驚異的な秘密があったのだ。

■奇妙な夢は「過剰適合」を防ぐため?

 中高年になったとしてもいつまでも新しいことを学び続けなければならないという“生涯学習”が叫ばれている昨今だが、体系的学習を諦めた者であったとしても、その脳は日々学習し続けているといわれている。脳機能のレベルでは実は我々は本質的に生涯学習者なのだ。

 なぜ年を取っても脳は日々学習を続けているのか。それは現在置かれている環境により良く適応しようとしているからにほかならない。我々が日々のニュースを欠かさずに目にしているのも、現在の状況に相応しい言動や意思決定をしたいと望んでいるからだ。

画像は「Unsplash」より


 しかしそこには問題もある。「過剰適合(overfitting)」の問題だ。今この瞬間の現実に過剰なまでに適合してしまえば、イレギュラーな出来事や変化への対応がそのぶん難しくなってしまうのである。

 AI(人工知能)開発においてもこの過剰適合は問題になっていて、例えば人間の顔を認識するアルゴリズムは入力されたさまざまな人間の顔の画像を学習しているうちに、写真の背後にある物体や景色に“顔”を見出そうとする可能性が高まってくるという。人間の顔を認識することに特化して過剰適合した結果、あらゆる視覚情報から“顔”を見つけ出そうとしてしまうのである。

 アメリカの神経科学者で作家のエリック・ホエル氏は2021年5月に「Patterns」で発表した研究論文で、哺乳類が過剰に学習し、過剰適合するという問題に直面し、ある種の認知ホメオスタシスでそれと戦うメカニズムを備えていると考えるのはとても自然なことであると言及している。

 そしてホエル氏は、我々夢の奇妙さは過剰適合を防ぐための脳のメカニズムであるという「脳の過剰適合仮説(overfitted brain hypothesis)」を提唱している。

 夢の中で我々は現実の生活ではまずしないような言動に出たり、自分の周囲で予想もしなかった出来事が起きたりする。ホエル氏によればこうした夢の奇妙さやナンセンスさは、我々の“世界観”を単純化せず、よりバランスの取れたものにするためのものであるというのだ。そして認知機能のバランスを整えることで、新たなことをより効果的に吸収できるのである。

 脳の過剰適合仮説では、睡眠は“オフライン学習”を行うのに最適な時間であると考えている。起床時に夢の中のような(ドラッグで得られるような)体験をするのは当然危険であるからだ。

 そして我々は夢の多くをすぐに忘れるが、これは実際に起こったことと夢を間違えないようにするためのメカニズムであるという。我々の脳にはAIにはない過剰適合を防ぐ機能が、夢を見ることで備わっていたということになる。

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