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重力波望遠鏡「KAGRA計画」は“地震予知”に利用した方がいい？ “電気的宇宙論”から考察

2021.11.01 10:00 文＝平清水九十九

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■重力波は本当に存在するのか？

　LIGOの研究者がノーベル賞を受賞して重力波の存在は確立したように思える。重力波を予想したアインシュタインの一般相対性理論は正しかったと考える人も多い。しかし、拙稿「ひろゆき「位置エネルギーは嘘」は正しい電気的地球科学が説明する重力の正体」でも解説したように、宇宙と地上の重力は違う力であるうえ、地上の重力はシューマン共振による電磁気力がその正体だ。空間の曲がりが伝わる重力波は存在しないのである。

　筆者は約半世紀にわたって電波で遊んできたアマチュア無線家―ハムだ。ハムの目から見るとLIGOで観測された重力波はどう考えても電波としか思えない。

　実は非常に低い周波数、数百ヘルツ以下の電波は遮蔽することが困難で、厚さが数キロの岩盤も通り抜けることが知られている。地面の中も電波は飛んでいるのだ。KAGRA建設に当たっても、地下トンネルでのELF（極極極超長波）観測が行われて、その存在が確認されている。岩盤を透過するという電波の性質は、遮ることができない重力の性質と同じだ。また通常、電波はアンテナで受信して、電気信号として捉えることができるが、電波が直接物体を振動させることはあまり知られていない。

　デンマークの「ニールスボーア研究所」では、電波を直接振動として捉えることで、高感度な検出器を開発している。通常、電波はアンテナで電気信号として回路に取り入れられ、半導体が電気信号を処理することで受信している。この一般的な方法では、回路中に発生する熱雑音などの影響で感度が制限されている。これを改善するため、アンテナで受信した電波をコンデンサーに導き、薄い金属箔の電極の振動をレーザーで直接検知することで、通常では実現できない高感度の電波受信を可能にしているのだ。ちなみにニールスボーア研究所は量子力学の研究で中心的な役割を果たした名門研究所だ。

　レーザーによる電波信号の直接検波は、仕組みが干渉計と同じだ。じつはKAGRAやLIGOで使われている反射鏡はガラスが誘電体、反射のために使われているコーティング材―五酸化タンタルは強誘電体だ。電気をためるコンデンサーと同じ材質、構造なのだ。つまり反射鏡にSLF（極極超長波）が当たると電界が生じて振動する。干渉計のレーザー光はSLFが反射鏡を振動させている状態を捉えたのだ。

　筆者を含めたアマチュア無線家には、重力波とされる信号は100Hz程度の電波―SLFではないかという意見がある。

　ハムの雑誌「CQ ham radio」（2016年5月号）には「仮説　重力波はSLF電波だった　　JH1NCQ 坂田正次」という記事が載っている。内容はここで紹介しているのとほぼ同じで、SLFは遮蔽できないこと、物質を振動させることを根拠としている。LIGOの二カ所の干渉計でほぼ同時に観測されたのは、電波であるからだ。

　また、SLFという波長の長い電波は、地震の際にも観測されている。トカナにも何度か紹介の記事を書いているが、地震は地殻内部で起きる放電現象だ。雷と同じように放電では幅広い周波数に電波がまき散らされる。雷が鳴るとラジオに雑音が入るが、ラジオの周波数だけでなく、数ヘルツという非常に低い周波数から放電による電波が発生している。地震では深さが数十キロで放電が起こっているが、そこから伝わってくる電波はSLFのような透過力の強い電波なのだ。すでにSLFを地震観測に用いている例もある。

　宇宙空間でも低い周波数の電波が無数に存在することが観測されており、LIGOやKAGRAは自然界に充満する電波を受信していると言えるだろう。筆者はKAGRAが重力波を観測できなくてもいいと思う。KAGRAを改良すれば、高感度のSLF受信設備として使えるからだ。地震観測に役立てればKAGRAに投入された190億円の税金はきっと役に立つはずだ。