太陽系は巨大な磁気トンネルに囲まれていると判明! 全長は1000光年、宇宙観に画期的アップデート!
太陽系を超えた先の宇宙には何があるのか? 最新の研究によると、太陽系は磁気の“トンネル”でグルっと包囲されているという。
■太陽系の周りを囲む長い“トンネル”を発見
とてつもなく広大な宇宙だけに、我々が地球上から眺めている宇宙は無数にある光景のうちのたった1つの様相に過ぎない。
当然ながら近くのものは大きく見え、遠くにあるものは小さく見えるのだが、たとえばとてつもなく巨大な星団は遠くにあったとしてもそれなりの大きさで見えることになる。
しかし、宇宙は広すぎるために、近いから大きく見えるのか、あるいは巨大だから大きく見えているのは判然としないケースもある。
銀河系には、電波で観測される銀河面に対して垂直方向に伸びた大規模な構造である電波スパー(radio spur)があるのだが、その代表的なものに北極スパー(North Polar Spur)とファン領域(Fan Region)がある。
この2つの構造の存在については1960年代から知られていたのだが、理解するのはきわめて困難であった。それらがどれだけ離れているかを正確に把握するのが非常に難しく、推測されるその距離は数百から数千光年の間というきわめて幅のあるものでしかなかったのだ。
しかし今回、カナダ・トロント大学の天文学者ジェニファー・ウェスト博士氏をはじめとする研究チームが「Astrophysical Journal」で発表した研究は、地球から見て対極にある北極スパーとファン領域は実は繋がっており、太陽系を取り囲む磁気のトンネルのような構造を形成している可能性を指摘している。
「私たちが空を見上げて、電波を見ることができる目を持っていたとすれば、このトンネルのような構造が私たちが眺めるほぼすべての方向に見えます」(ジェニファー・ウェスト博士氏)
研究者たちは、地球から電波スパーがどのように見えるかを計算するコンピューターモデルを構築した。このモデルにより、北極スパーとファン領域は太陽系の周りに構造を構築することができ、現代の電波望遠鏡を通してどのように見えるかが示されたのである。
荷電粒子と磁場で構成された北極スパーとファン領域は、長いトンネルのような形状で繋がっていて、地球から約350光年離れた場所にあり、トンネルの全長は約1000光年あるということだ。
■我々の“宇宙観”に画期的なコンセプトをもたらす
「これはとても巧妙な仕事です」と、トロント大学のダンラップ天体物理学研究所のブライアン・ゲンズラー教授は今回の研究を称賛している。
「ジェニファーが最初にこれを私に提案したとき、私はそれがあまりにも“的外れ”だと思いました。しかし、彼女は最終的に私を納得させました。今、私は他の天文学コミュニティがどのように反応するか、それを目撃することに胸を躍らせています」(ブライアン・ゲンズラー教授)
今回の調査結果を確認してから、構造をより詳細にモデル化するには、さらに作業が必要である。しかしそうすることは、さらに大きな謎を解くのに役立つかもしれない。銀河の磁場の形成と進化、そしてこれらの磁場がどのように維持されるのかを解明し、銀河の周りに見られる他の磁気フィラメント構造を理解するためのコンテクストを提供するかもしれないと研究チームは言及する。
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2024.10.02 20:00心霊太陽系は巨大な磁気トンネルに囲まれていると判明! 全長は1000光年、宇宙観に画期的アップデート!のページです。電波望遠鏡、太陽系、銀河、トンネル、天文学、宇宙、電波スパー、北極スパー、ファン領域などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで