【二ビル】「プラネット9を発見した」英天文学者が主張する理由とは? 地球より大きい謎の惑星
マイケル・ローワン・ロビンソン氏は天体物理学者であり、インペリアルカレッジロンドンの天体物理学の教授でもあり、おそらくこれまでで最も“ロックな”天体物理学者であるクイーンのギタリスト、ブライアン・メイ博士の指導教官として最もよく知られている。
ロビンソン氏は、IRAS検出データの星や銀河などの背景の赤外線源をフィルターで除去した後、太陽系外縁天体の軌道を乱す可能性のある物体を探し、まず数百個を見つけた。さらにそこから絞り込んで有望な3つの光源を特定したのだ。そのうちの1つはプラネット9であり得るすべての基準を満たしているという。
その最もプラネット9である可能生が高い天体とは「R20593 + 6413」と分類されているもので、ケフェウス座の方向にあり、地球の3~5倍の質量を持ち、225天文単位の距離で太陽を周回しているという。ちなみに1天文単位は太陽から地球までの距離である 約1億5000万kmである。
はたして今回、遂にプラネット9が特定されたといえるのだろうか。
■プラネット9の探究と発見に追い風
2016年にカリフォルニア工科大学のコンスタンティン・バティギン氏とマイク・ブラウン氏は海王星の外側にあるカイパーベルトに集まる天体の中で奇妙な軌道の動きを見せる6つの天体について、プラネット9である可能生があるとレポートし、詳しく調査を続けてきた。
それらの天体は何か大きなものの重力の影響下にあるかのように、奇妙な軌道を描いて回っていて、そこに存在しているのであれば地球の質量の5~10倍にもなり、400~800天文単位の間の距離で周回している可能性があるという。
きわめて遠くにあり、非常に小さくて冷たく、おそらく太陽光をまったく反射していないそれらの天体は、広大な宇宙のどこにあるのか正確にはわからない。ほかの研究者たちもこれらの天体が実在するのかどうかを検討しており、興味深い議論の1つになっている。
ブラウン氏は今回ロビンソン氏がプラネット9の最有力候補に挙げた「R20593 + 6413」は、太陽系外縁天体を重力で乱すことはできないと述べ、彼らが定義したプラネット9の定義には当てはまらないものの、それがすなわちプラネット9ではないことを意味するものではないと言及している。つまり「R20593 + 6413」がプラネット9である可能性を排除していないのだ。
一方でロビンソン氏は、IRASのデータが古く、より強力な望遠鏡を備えた新たな観測が大いに役立つと指摘している。それはもちろん、来月に打ち上げが予定されているNASA、ESA、カナダ宇宙庁(CSA)による新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」に期待する側面もあるのだろう。
来年にはチリのNSFヴェラ・C・ルービン天文台ある大型シノプティックサーベイ望遠鏡(LSST)の本格運用も開始されていて、プラネット9の探究と発見にますます追い風が吹いていることは間違いない。引き続き関連する情報をチェックしていきたい。
参考:「Mysterious Universe」、「Science Alert」、「Inverse」ほか
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