戦慄実話「グリーンチルドレン」の正体ついに判明!? 未知の言語、謎の偏食… 3つの新仮説
緑色の皮膚をした「グリーンチルドレン」は成長して結婚し、子供を残したことが記録に残されている。とすれば今もこの子供たちの血脈はどこかで受け継がれているのだろうか――。
■「ウールピットのグリーンチルドレン」とは?
今をさかのぼること12世紀半ば、イギリスのサフォーク郡にウールピット(Woolpit)と呼ばれる村があった。
家畜を襲うオオカミに悩まされていた村では、オオカミを陥れるための落とし穴(wulf-pytt)を随所に設けて対策をしていたことで、それが土地の名前の由来になったといわれている。
ある日、村人がこの落し穴から出てきたという姉と弟らしき2人の子供たちを目撃した。驚いたことにその子供たちの皮膚は緑色で、見たことのないデザインの服を着ており、まったく理解できない言葉を話していたのだった。この子供たちこそが「ウールピットのグリーンチルドレン」である。
当時の記者の記録によれば、子どもたちは地元の有力者であるリチャード・デ・カルン卿に引き取られて屋敷で暮らすことになった。
屋敷で子供たちは食べ物を提供されたが、与えられた料理すべてを初めて見るもののように嫌悪し、食べることをいっさい拒否した。
何も口にすることなくどんどんやせ衰えていく子供たちだったが、屋敷の庭の菜園で育っていたインゲン豆を見つけると、貪るように食べたのだった。こうして屋敷の中で食事をするようになった子供たちは少しずつほかの料理にも手を着けるようになり、暫くすると屋敷の人々と同じメニューを食べるようになった。すると子供たちの皮膚から緑の色味が抜けて、村の普通の子供たちと変わらない見た目になり、その頃から周囲の話題にのぼることも少なくなっていったのだった。
しかし、不幸なことに弟の少年は重度のうつ症状の末に亡くなってしまった。姉の少女は問題なく育ち、アグネスと名付けられて屋敷の使用人として働くと共に英語を学んだことで、ついに自分たちがどこから来たのか、その質問に答えることができるようになったのだ。
英語を話せるようになったアグネスによれば、彼女たちは「聖マーティン(St. Martin)」と呼ばれる土地の住民であるという。
聖マーティンでは人々は宗教の教えに従って暮らしており、土地の頭上に太陽がのぼることはなく常に夕暮れの闇に包まれているという。しかし、そう遠くない場所に陽光に照らされた明るい地域が見えるのだが、その土地とはとても大きな川で隔てられているということだ。
なぜオオカミの落とし穴から出てきたのかについては当人にとっても不可解であり、彼女の家族が飼っている家畜の群れに餌をやっていた時に美しい鐘の音を聴き、その音にうっとりと聞き惚れているうちに、気づけばこの村の落し穴の中にいたと説明している。
記録によれば、アグネスは残念ながら故郷の聖マーティンに戻ることはできず、リチャード卿の邸宅で使用人として働き、イーリーの大執事であるリチャード・バーと結婚し、少なくとも1人以上の子供をもうけたという。とすれば、今もアグネスの子孫はどこかでその血脈を繋いでいるのかもしれない。
■グリーンチルドレンの正体は? 浮上する3つの仮説
アグネスが二度と帰ることができなかった聖マーティンは本当にあるのか? なぜ肌が緑色だったのか? そして、なぜインゲン豆しか食べようとしなかったのか? この「ウールピットのグリーンチルドレン」にまつわる謎は何一つ解決されてはいない。
かつてトカナの記事でも指摘したように、グリーンチルドレンは地球外からやって来たエイリアンであるという説もあれば、「異次元ポータル」を通過して現れた別の時空の存在であると示唆する声もあるようだ。
だが「Ancient Code」の記事よれば、アグネスたちを説明するいくつかの現実的な推測が可能であるという。
仮説の1つは、彼女たちはヒ素を盛られて毒殺されようとしていたとする説だ。緑色だった肌はヒ素中毒によるものであったというのだ。
アグネスたちが結婚する前に若くして死ぬと、その家族の財産を相続する立場にある叔父の男(ノーフォークの伯爵)が村周辺の森でヒ素による毒殺を試みたものの、逃げおおせた子供たちがその後に落とし穴にはまったというのである。
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2024.10.02 20:00心霊戦慄実話「グリーンチルドレン」の正体ついに判明!? 未知の言語、謎の偏食… 3つの新仮説のページです。イギリス、都市伝説、孤児、ヒ素、異次元ポータル、グリーンチルドレンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで