トラウマに悩む女が大暴走する映画『マヤの秘密』の“狂気を超えた深み”とは!? 今野杏南と阿部憲仁教授が語り尽くす!
誰しも心の中に他人には言えない秘密やトラウマの一つや二つを抱えているものだが、それらが“とてつもなく悲惨”で、しかも、心の奥底にしまっておいたはずが何らかの拍子で蘇ってきた時、いったい人間はどんな行動に出るのか? 2月18日(金)に公開される映画『マヤの秘密』は、心に深い傷を負った主人公・マヤが復讐の鬼と化し、家族や隣人まで巻き込んで暴走していくスリリングな展開が鑑賞者を終始圧倒する、今話題の作品だ。
【ストーリー】
1950年代後半、アメリカ郊外の街。ある日、ロマ民族のマヤ(ノオミ・ラパス)は、街で男の指笛を聞いた瞬間、“ある悪夢”が蘇ってくる。最近、近所に越してきたその男は、戦時中に自分を暴行し、妹を殺したナチスの軍人で、マヤがいまでも悩まされる悪夢の元凶だった。マヤは復讐心から男を殺そうと誘拐し、夫・ルイス(クリス・メッシーナ)の手を借りて地下室へと監禁するが、トーマスと名乗るその男(ジョエル・キナマン)は人違いだと主張し続ける。記憶がおぼろげなマヤは、男を殺したい気持ちと同時に、ただ事実を知りたいと罪の自白を男に強要し続ける。一方、男のほうもマヤの話を否定し続けるものの、何かを隠しているような表情をみせる。マヤを信じたい夫は、妻の狂気じみた行動と知らなかった秘密を知り、真実を突き止めようと奮闘する。さらに、監禁された男の妻(エイミー・サイメッツ)は、夫の安否を心配しながらも、自らの素性を話さなかった夫への不信感を募らせる。それぞれの秘密が明らかになるにつれ、新たな疑念が生まれる。何が真実なのか? 彼女の悪夢は《妄想》か? 《現実》か? 最後まで読めない展開は、観客を釘付けにする――。
今回トカナは、読者に映画の見どころをお伝えするため、いち早く本作を鑑賞した2人を招いて緊急対談を敢行。数多くの凶悪犯と直接やり取りしてきた気鋭の教育学者・阿部憲仁先生、そして映画好きの人気グラビアアイドル・今野杏南さんに『マヤの秘密』の魅力を語り尽くしてもらった!
■ストーリーの圧倒的「引き込む力」
――まずは『マヤの秘密』をご覧になった率直な感想を教えて下さい。
今野杏南(以下、今野) 最初から終わりまで、一度も目が離せなくて「この物語はどこに行き着くのだろう?」とずっとハラハラしていました。それで見終わった後は、「う〜ん」と唸っちゃいましたね。すごく苦しくなったというか。先生はいかがですか?
阿部憲仁(以下、阿部) 今野さんがおっしゃったように、引き込む力がすごい映画だなと思いましたね。専門家として冷静な視点で見ていたはずの自分さえ、いつの間にか物語にどっぷり浸かってしまったのは驚きました。なので、一言で言うと99点です!
今野 すごい! 足りない1点は何だったのでしょうか?
阿部 私は学生の成績をつける時もこれからの伸びしろに期待したいということで100点はつけない主義なんです。
今野 じゃあ、実質満点ですよね!
阿部 今野さんと同じく最後がどうなるのか興味津々で見ていたのですが、私は「なるほど!」と、最後の最後に満足のいく結果が得られたと思いました。また、犯罪や人間心理を専門としている私から見ても非常に細部までよく作り込まれていますね。すべて現実にありえるシーンでした。特にトラウマがこの映画の非常に大きなテーマですが、症状をよく研究していました。ところで、今野さんはマヤに共感できましたか?
今野 私はマヤに共感するのはちょっと難しかったです。でも、すごくこれは難しいことですが、もしも自分がマヤと同じような立場に置かれたら、その時はやっぱり落ち着いていられないかもしれない。極限状態の人間の感情は、理性に勝ってしまうこともあるのかなと感じました。
阿部 たとえば死刑廃止を訴えている人たちに「もし自分の家族や大事な人が殺害されたらどうですか?」と聞くと、意外と「殺意を抱きますね」と答える方が少なくありません。その良し悪しはここでは置いておくとして、それと同じような感覚を抱く映画ということでしょう。
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2024.10.02 20:00心霊トラウマに悩む女が大暴走する映画『マヤの秘密』の“狂気を超えた深み”とは!? 今野杏南と阿部憲仁教授が語り尽くす!のページです。対談、トラウマ、今野杏南、阿部憲仁、マヤの秘密などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで