【3.11から11年】被災地で幽霊目撃談が多い切実な理由

東日本大震災から今日で11年を迎える。M9.0の巨大地震と、それに伴う大津波によって15,800人が命を落とす未曾有の大災害だった。当初はタブー視されていたものの、近年になって注目を集めているのが被災地での心霊体験談だ。現在では、それらをまとめた書籍も数多く出版されている。超常現象研究家・百瀬直也氏が注目するのは、心霊現象の心理的側面だ。家族や友人など親しい人々を失った被災者にとって、冥界との交信は決して恐怖だけにとどまらない作用があるはずだという。そこには、単なる“怖い話”と片付けてはいけない、愛する存在を失った被災者の切実な想いと希望が、確かに反映されているのだ。2015年3月の記事を再掲する。
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震災直後から、被災各地で囁かれていたのが「幽霊が出る」という類の噂である。当然、このような幽霊話は多くの犠牲者に対して不謹慎とされ、避難所などではタブーとして扱われてきたようだが、そこに「癒し」を見出す人々も少なくないという。果たして、震災に際して幽霊話が本当に「不謹慎」なのかどうかを考えてみることにしたい。
なお、筆者は超常現象研究家として40年以上にわたって心霊現象などを研究してきたが、今回の記事は3.11にまつわる幽霊話の真偽を確かめるものではなく、そのような話には人々にとってプラスとなる要素があるかどうかを探求するものである。幽霊話の真偽についての考察は、また別の機会に譲ることにしたい。
■数々の幽霊話、真剣に報じるマスコミ
さて、3.11から1年ほどが過ぎた頃から、避難所やネット上では様々な幽霊話が語られるようになっていた。多くの死者が出た大震災の後では、このような幽霊話はつきものだが、3.11の場合、いつになく多いようなのだ。以下は、その一例だ。
・ 夜になると大勢の人たちが走る足音が聞こえる
・ 津波で瓦礫となった車の中を、1台ずつ覗いていく子連れの女性がいる
・ 行方不明者の家族の枕元で、「見つけてほしい、埋葬してほしい」と声が聞こえた
・ 仮設住宅で、夜な夜な「寒い」といった呻き声が聞こえる
・ 夜中に停車しているタクシーに近寄ってきて、「自分は生きているのか死んだのかわからない、乗せてもらえないか」と語りかける女性がいる。乗せると、いつの間にか後部座席から消えている
また震災の翌年3月には、AFP通信が「東日本大震災から1年、石巻で語られる『幽霊』の噂」という記事を掲載している。それによると、宮城県石巻市では、さまよう霊たちのせいで修復工事が中断してしまった現場さえあるという。
このような噂を無視できないと思ったのか、なんとNHKまでも、2013年8月23日に「亡き人との“再会”~被災地 三度目の夏に~」という番組で、“震災幽霊”の話を真剣に取り上げた。それは、故人と「再会」したという4人の人物の不思議な体験を紹介するというものだった。津波で3歳の息子と死に別れた母親の場合、子どもが遊ぶ気配を感じると、アンパンマンの乗り物のオモチャのスイッチが勝手に入ったのだという。これまで、超常現象や心霊ものを退けてきたNHKとしては考えられないような番組である。
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2024.10.02 20:00心霊【3.11から11年】被災地で幽霊目撃談が多い切実な理由のページです。幽霊、3.11、東日本大震災、津波などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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