触れたら干される2つの「UFOタブー」とは!? 漏えい文書に秘められた真実を岩手大名誉教授が暴露(インタビュー)

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漏えい文書が明かす「UFOタブー」と積極的不可知論』(ヒカルランド)

 皆さんは世界には「UFOタブーが存在する」と聞いたらどう思われるだろうか。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐるニュースを見ても、世界ではフェイクニュースやプロパガンダが飛び交う「情報戦争」が行われていることがわかる。

 UFOに関しても、「情報戦争」が行われているのだろうか。そして、UFOをめぐる情報に関して、「タブー」のようなものは存在するのだろうか。

 このたび、『漏えい文書が明かす「UFOタブー」と積極的不可知論』という本を出版した岩手大学名誉教授の原澤 亮博士に「UFOタブー」について話を聞いた。

ウクライナ侵攻と「UFOタブー」が明かされる後編はコチラ!

■UFOタブーとは何か

――このたび『漏えい文書が明かす「UFOタブー」と積極的不可知論』という本(以下、本書)を出版されましたね。UFOタブーとは何か、説明していただけますか。

原澤 亮博士(以下、原澤)  「UFOタブー」の話に入る前に、UFOについての共通認識をもちたいと思います。ご承知のように、「UFO」は「Flying Saucer(空飛ぶ円盤)」の代わりに1950年代にアメリカ空軍で使われ始めた用語です。当時、空飛ぶ円盤がどのように認識されていたかを確認するための資料として、アメリカ空軍のネイサン・トワイニング中将による1947年9月23日付の覚書に記されている、空飛ぶ円盤の特徴をここでおさらいしておきましょう。

a.この現象は現実のものであり、幻視や空想によるものではない。
b.航空機と同程度の大きさの円盤型飛行物体がおそらく存在する。
c.隕石のような自然現象によって引き起こされたものである場合もある。
d.急激な上昇や旋回などのマニューバ(機動性)および航空機との遭遇やニアミスをした場合に衝突を回避する動きとレーダーにより報告された機動特性は、その飛行物体が手動もしくは遠隔操作により自動制御されている可能性を示している。
e.次のような共通性状を示す。
 (i)金属性または光を反射する表面性状を有する。
 (ⅱ)高性能条件下で機動していた場合を除いて、航跡を欠如している。
 (ⅲ)円形または楕円形で、底部が平坦であり、上部にドームをもつ。
 (ⅳ)3機ないし9機による編隊飛行として報告されている。
 (v)通常、関連する音が聞こえない。
 (ⅵ)通常、300ノット(時速約555キロ)以上の速度で飛行する。

 以上が、トワイニング中将による覚書に記されていた空飛ぶ円盤についての知識です。このような飛行物体は、当時、人間の製造した航空機としては存在が知られていなかったため、別の惑星から飛来したのではないかと考える人もおりました。

 しかし、やがてそのような考えは空軍トップの判断により否定され、空飛ぶ円盤をなるべく自然現象や既知の人工物の見間違いとして説明するのが適切であると考えられるようになっていきました。つまり、「空飛ぶ円盤」を人間が造ったものでない飛行物体であると認めることは、ET(地球外生物)の存在を前提にする可能性があるため、正統的なものではないと見なされるようになるわけです。

 こうして正統的でない「空飛ぶ円盤(UFO)」は、世の中で差別され、人々から忌み嫌われ、その結果、タブー視されるようになります。

――空飛ぶ円盤(flying saucer)は、実業家のケネス・アーノルドが1947年6月にワシントン州レーニア山近くで目撃した半月状の物体を、マスメディアが「disc-like objects」として報じたのが始まりとされていますね。ということは、空飛ぶ円盤をアメリカ空軍がUFO(unidentified flying object、未確認飛行物体)と言い換えたこと自体に何か意図があったということでしょうか?

原澤  はい、空飛ぶ円盤を自然現象や既知の人工物の見間違いだと説明するために、UFOという言葉を選んだと言えるかもしれません。さらに、最近は、UFOは「UAP(未確認空中現象)」と呼ばれることもあります。

 そのようにして、空軍が「空飛ぶ円盤」を正統的なものではないと見なすことで、多くの人が「空飛ぶ円盤」の存在を否定したり、疑問視するようになりました。こうして、「空飛ぶ円盤」は、変人のたわ言と考えられるようになり、人々から忌避されるようになったのだと思われます。

「空飛ぶ円盤」が「UFO」「UAP」と呼ばれるようになっても、人々の思いは変わらず、多くの人がUFOをタブー視しているように見えます。このように、UFOをタブー視し、UFOとの関わりを避けようとする行為を、一般に「UFOタブー」と呼びます。

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イメージ画像:「Getty Images」

 もしあなたが、本書を書店で見つけ、読んでみようと思ってレジへ持って行き、待ち行列に並んでいる間、他人にその本の題名を見られたら恥ずかしいと思い、本を人の目に触れないようにしていたら、それはあなたの心の中に「UFOタブー」が潜んでいるからかもしれません。

 このような「UFOタブー」は、とりわけ社会的に重要な地位についている人たちにとっては、大切な約束事になっているような印象を受けます。ですから、知識人や文化人、科学者たちは、UFOをめったに話題にすることがありません。

 そのため、UFOを研究することが、学問への冒涜だと見なされるようになり、UFOについての科学はなかなか進歩しません。別の見方をすれば、UFOについて研究させないために、権力者が「UFOタブー」を拡散しているとも考えられます。

 また、「UFOタブー」があるために、民間パイロットや自衛隊員もUFOについての情報を共有することを難しくしているようです。それは結果的に、航空安全や防衛に支障をきたす恐れがあるのではないでしょうか。

 なお、以上の「UFOタブー」を、本書では「第一種UFOタブー」と呼んでいます。

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