物質を発火させる超能力「パイロキネシス」の実話集! 言葉で、息で、目で… “不審火”を生む少年少女たち

※ こちらの記事は2020年5月18日の記事を再掲しています。

 人類は火をおこす技術を手に入れたことで文明を飛躍的に発展させてきたが、人間には火を発生させる潜在能力があることが示唆されている。それは超能力の1つである発火能力“パイロキネシス”だ。

■身の回りで“不審火”が絶えない少年少女たち

 スティーブン・キングの小説を映画化した作品『炎の少女チャーリー(原題:Firestarter)』(1984年)はそのタイトル通り、火をおこす超能力である“パイロキネシス(pyrokinesis)”を持つ少女が主人公のストーリーだ。パイロキネシスという語を最初に用いた物語だが、映画のヒットによって広く知られることになった。では、本当にこの能力を持つサイキックはいるのだろうか。

 たとえばアメリカ人作家で超常現象研究の先駆者であるチャールズ・フォート(1874-1932)の著作、『Wild Talents』(1932年)で言及されている19世紀の事件の登場人物である10歳の女の子、エリザベス・バーンズがこのパイロキネシスを備えている。

 度重なる不審火と重い火傷を負わせたとする容疑でエリザベスは裁判にかけられることになり、法廷では少女がどのように火を起こしたのかが説明されないままに有罪判決が下ったのだ。

物質を発火させる超能力「パイロキネシス」の実話集! 言葉で、息で、目で… 不審火を生む少年少女たちの画像1
「Mysterious Universe」の記事より

 さらに1878年にマサチューセッツ州ブリッジウォーターの農場に住み込みで働いていた使用人の娘、アン・キドナーという12歳の女の子のケースもある。

 農場の干し草の山など燃えやすいものの近くをこの女の子が通り過ぎた時、発火する現象が何度も起き、ボヤ騒ぎになることもしばしばであった。また発火だけでなく、彼女が近づくと農具などが動くという現象もあったという。

 何度目かのボヤ騒ぎの後、少女は火のついたマッチを放ったという容疑で逮捕されたのだが、少女が意図的に放火を行ったという証拠は最後まで見つからず無罪放免になっている。

 また1886年には、カリフォルニア州ターロックに住む少年、ウィリー・ブローのケースもある。ウィリーは一瞥したモノを発火させる能力があるとされ、学校への登校を禁じられた。そして不幸なことに、自分のこの息子が悪魔に憑かれていると確信した親から家を追い出されるという事態にまで発展したという。

 視線だけでなく、息を吹きかけることで発火させるケースもある。1882年にミシガン州ポーポーという町に住む黒人青年、ウイリアム・アンダーウッドは、呼吸によって発火させる能力を持っていた。たとえばハンカチを口元に持って来て呼吸をしながら激しくこすり合わせると発火して燃え上がり、その後完全に燃え尽きたという。

 彼のパイロキネシスは科学的な検証も行われていて、手と口の中を入念に洗浄した後でもハンカチを燃やすことができたということだ。

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