南極の分厚い氷の下に「謎の生態系」が存在! 未知の世界を初激撮、科学界の定説覆る
先日、科学者の研究チームが南極大陸のラーセン棚氷の下深くに隠された生態系を発見したと発表。ここまで厚い氷の下で、これほど多くの生物が見つかるとは誰も予想しておらず、注目を集めている。
氷の下約487mに位置しているこの「隠された生態系」。発見のきっかけは、研究者が衛星写真で棚氷の異常な溝に気づいたことだった。詳しく調査すると、この溝の下に川があることが判明。氷を掘り下げて特殊カメラを入れてみたところ、やがて何百もの奇妙な粒子がぼやけた形で捉えられた。そこでレンズのピントを合わせてみたところ、無数の小さなエビのような生き物がレンズに群がっていることが判明したのである。ここまで厚い氷とその下に広がる水の中には生物は存在しない、と考えられていたため、生物が確認されるのは多くの研究者たちにとっても予想外の事態だった。
海洋学者のクレイグ・スティーブンス氏は「明らかに重要な生態系プロセスがそこで起こっていることを意味します」と述べている。
これまで極地の厚い氷の下に地下河川や湖のネットワークがあるのではないかと推測する科学者は少数で、今回の発見は従来の予想を裏付けるだけでなく、氷の表面から数百メートル下にもまだまだ多様な生物の世界が隠れている可能性が切り拓かれたのだ。研究者たちは今回の調査を元に、さらなる分析を行っていく予定だと述べている。
参考:「The Guardian」、ほか
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