背骨に「ブラックホール」が出現? 政治家が“破滅的な大津波”を予言し、2万人が集結
カンボジアのある男性が、なんと自分の背骨に「ブラックホール」が空き、そこから「世界の終末」のビジョンが見えるようになったと主張、世界に警告を発して話題になっている。
話題の人物はカンボジア北部のシェムリアップ州在住のKhem Veasna氏。ブラックホールといっても勿論本物ではなく、「背骨が一点を中心に猛烈に引っ張られる感覚」を何でも引き寄せるブラックホールに例えているにすぎない。
彼は「眠ろうとするたびに脊髄が強く引っ張られるので眠れない。『世界が壊れて、その隙間に水が流れ込んでくる』光景が見えるからだ」と語っており、37万人いるフォロワーに「黙示録的な洪水が近づいている」と警告。さらには「自分の家が破滅的な洪水から逃れるための唯一の安全な場所である」と伝えたため、現在彼の所有するカンボジアの農園には予言を信じた人達が集結しているという。集まっている人々はカンボジア国民が多いようだが、中には国外から足を運んでいる人もおり、遠くは韓国から来ているとか。これに対し、ソウルのカンボジア大使館は現地へ渡航しないよう求め、すでに行ってしまった人には帰国を促している。
Veasna氏がこれほど多くの人から信奉されているのには理由がある。実は、Veasna氏はかつてカンボジア国民議会議員を務めた政治家で、民主主義同盟党の党首でもあるのだ。
当局の推計によると、Veasna氏の家には既に1万5千人から2万人の人々が集結しており、入りきれなかった人たちは外でキャンプをするか、近くに宿を借りているという。その様子はVeasna氏のSNSにて公開された写真でも伺える。あまりの混乱ぶりに農場の入り口には、これ以上人が入らないようにバリケードが設置されたほど。この状態に地域住民はさぞ迷惑しているかと思いきや、突然人が増えた事によりトイレなどの設備が圧迫されていると訴える人もいるものの、多くの事業主は来客の増加を喜んでいるそう。
また興味深いことに、Veasna氏は当初この「世界を襲う破滅的な大津波」が今年の8月23日に起こると予言していたという。だがこの予言は我々も知る通り外れ、8月23日は無事に過ぎていった。予言が外れたことから一部の信奉者は農場を去ったものの、その後も多くの信奉者が彼の家に残り、中には当局からの帰国命令が出ているにもかかわらず退去しない者もいるのだとか。さらにVeasna氏はヒンドゥー教の創造神にちなんで自らを「ブラフマー」と呼ばせており、彼の周囲は一種のカルト的な様相を呈しているという。更にVeasna氏はカンボジア政府を公然と批判している事もあり、当局はこの集団が何か大きな事件を起こすのではないかと警戒しているようだ。
カンボジアで始まった予言者にまつわる騒動は、今後いったいどのように変化していくのだろうか。
参考:「Daily Star」、ほか
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