昔の人はどれほど不衛生だったのか? トイレ、入浴、歯科衛生事情など5つを紹介
■口腔衛生、歯科衛生
歯ブラシの登場は17世紀末頃のイギリスであるとされていて、それ以前は歯科衛生の手段としては主に爪楊枝が使われていたことがわかっている。
いくつかの古代シュメール語の文書には、歯の問題が記録されており、そのうちの1つに「虫歯」という名称が登場している。当時の歯科医は、これらの穴の本当の原因を理解していなかったため、文字通り虫に食われたと考えたのである。
しかし近代以前の社会では口腔衛生に関してはおおむね無頓着で、虫歯予防もほとんど行われていなかったといわれている。
だがローマ帝国時代のローマ人は栄養状態がよかったことから体格が良く、比較的歯が丈夫であったことが遺体からわかっている。
■グルーミング用品、化粧品
特に古代エジプト人は衛生状態が良いことで知られており、頻繁に入浴し、化粧もしていた。古代ギリシア人も同様で、健康的な食事と衛生環境を保っていたといわれている。
古代ローマの女性はカミソリを使って体毛を処理しており、ピンセット、軽石、さらになんと脱毛クリームを使っていた痕跡も見つかっている。
15世紀末から16世紀のテューダー朝時代のイギリスでは、人々は自分の容姿を特に気にしはじめたといわれ、自分の顔をチェックするために小さなガラスやスチールの鏡を持ち歩くようになり、ピンセットだけでなく、くし、耳すくい、マニキュアセットを携行している人もいたという。
また人類は太古の昔からとがった岩を使って顔の毛をや髭を剃る風習があったことも史料からわかっている。
我々の多くが考えるほどには昔の人々は不衛生ではなく、特に富裕層はヘルスケアと衛生環境に配慮していたと考えられる。現代の我々が享受しているハイレベルな公衆衛生に慢心することなく、特に歯科衛生などには気を配りたいものだ。
参考:「Ancient Origins」ほか
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2024.10.02 20:00心霊昔の人はどれほど不衛生だったのか? トイレ、入浴、歯科衛生事情など5つを紹介のページです。トイレ、古代、中世、伝染病、公衆衛生などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで