古代ペルシアの恐るべき処刑法「スカフィズム」とは? 犠牲者を長く苦しめて殺す残酷性の真実
スカフィズムは実際に行われたのか?
スカフィズムが実際に行われたことを証明するものは『アルタクセルクセスの生涯』しか存在しない。このことをふまえてスカフィズムについて議論しなければならない。
プルタルコスは好戦的な反ペルシア人だった。ペルシア人を憎むあまり、『ヘロドトスの悪意について』というエッセイで、紀元前4世紀の古代ギリシアの歴史家ヘロドトスを非難したほどである。ヘロドトスがペルシア人を悪党として描写しなかったのは「野蛮人を愛する者」だからだという事実無根の言いがかりをつけている。プルタルコスはペルシア人について記述するときは、嫌悪感によって事実が歪められた可能性が高い。
プルタルコスがスカフィズムについて記述したのは、この処刑が行われたとされる時期の何百年も後である。プルタルコスが参考にしたと考えられる『ペルシカ』は、アルタクセルクセス2世の宮廷医師クテシアスによって書かれたペルシアの歴史書で、十分に信頼できる文献とされる。この歴史書をもとにして『アルタクセルクセスの生涯』は記述されている。
一方、スカフィズムに関する逸話は、紀元前5世紀にアケメネス朝ペルシアで活躍したクテシアスの著書『ペルシア誌』を典拠にしたと指摘されるが、同著は信頼に値しないことで有名である。というのも、クテシアスは『インド誌』で、犬の頭を持つ人間、胴体に顔があって頭のない人間、一本足の巨人など、奇妙なモンスターをいくつも記述しているからである。プルタルコス自身も『アルタクセルクセスの生涯』の中で、クテシアスを完全には信頼できないと述べている。
プルタルコスがクテシアスの胡散臭い記述を採用したのは、ペルシア人に対する嫌悪感の現れだったとも考えられる。スカフィズムの真偽の関しては、今後の更なる研究によって明らかにされるのかもしれない。
参考:「All That’s Interesting」、「Tales of Times Forgotten」、ほか
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