「カラス清掃員部隊」が公園の吸い殻やゴミ拾い! 類まれなる思考力で“巨大テーマパーク”をピカピカに=仏

 2014年に放送され人気を博した動物の頭脳や能力などを観察する番組「Inside the Animal Mind」(BBC)で出演者のクリス・パッカム氏が、カラスの能力を測定する8つの複雑なテストを考案したアレックス・テイラー博士と共に、ブランと名付けられたカラスに対してテストを行った。ブランが全てのテストをこなす姿を見てパッカム氏は驚きながらもその能力を高く評価した。

 パッカム氏が現在も出演を続ける野生動物の生態を観察、検証する番組「Springwatch」(同)ではカラスがゴミを拾うなどの労働作業ができるようになるための訓練が可能かの実験を行った。その結果、カラスはそれらの業務に適しているという判断が下されたのだ。現在はカラスがゴミを拾う日の朝に、園内で彼らを育て訓練した専門家のクリストフ・ガボリ氏が、訪れる人々に見えるようカラスとエサ箱をテーマパーク入り口にセットする。

「カラス清掃員部隊」が公園の吸い殻やゴミ拾い! 類まれなる思考力で巨大テーマパークをピカピカに=仏の画像3
クリストフ・ガボリ氏とお掃除部隊のカラス。 画像は「YouTube」より

 カラスたちを園内で見ることができるのは週4日だが、その理由についてヴィリエ氏は「カラスを清掃マシーンにしたいわけではないのです。彼らは働きすぎると遊ぶのをやめてしまいますからね」と話す。

 さらにカラスを働かせるという行為については、労働者を敬い政府への抗議デモが頻繁に行われるフランスの労働組合を引き合いに出し「カラスも我々と同じフランス国籍だから労働組合には気をつけないとね」と笑いながら語る。

 ヴィリエ氏の言葉は単なる冗談かもしれないが、この清掃部隊を本格的に拡大するかどうかという段階にあることについて、米・ワシントン大学で野生生物学を教えカラスの生態の多くを知るジョン・マーツラフ教授は、「鳥たちに人間のゴミ清掃を押し付けるのは間違っています。私たちは自分でゴミを拾えるのですよ」と話す。

 いつの日か、ゴミの拾い方をカラスに教わるなどということがないように、自らのゴミは責任を持って処理しようとこれらの記事を読んで改めて思う。

参考:「Mirror」、「New York Times」、ほか

文=清水ミロ

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