選挙カーの騒音は心理攻撃? 国民洗脳、ウソ伝説…亜留間次郎が徹底解説!
本日23日に投票日を迎える統一地方選挙後半戦に向けて、数週間にわたって、全国で拡声器で名前を連呼しながら走る選挙カーが目撃されたことだろう。昔から賛否両論ある街宣活動だが、なぜいまだに風化したり法的規制を受けることなく、選挙シーズンが訪れるたびにこの光景が繰り広げられるのだろうか?
過去にTOCANAでは、亜留間次郎氏による連載記事のなかで、この素朴な疑問に触れている。実は拡声器を用いて、不特定多数に心理攻撃を仕掛けるのは有効な戦術で、「知覚的流暢性の誤帰属説」と「幻想的な真実効果」という心理学の学説でも説明されているそう。さらに、大型拡声器の歴史は意外に古く、第二次世界大戦中インパール作戦における日本軍の士気を挫くために、イギリス軍がプロパガンダ攻撃を行ったことも有名な話だ。単にうるさいだけじゃなく、選挙カーには人々の心を洗脳する効果があるのかも? 2019年の記事を再掲する。
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※ こちらの記事は2019年4月29日の記事を再掲しています。
【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】
街宣車は最終兵器だった
皆さんも選挙活動が始まるたびに、近所を街宣車に乗ってやかましく叫んでまわる政治家に嫌な思いをしたことがあるかと思います。彼らは有権者に嫌われて、自分に投票してもらえなくなるという致命的なデメリットが発生するリスクを理解できないほど低脳なのでしょうか?
いえ、怒鳴って歩くことが自分に投票してもらうために有効な戦術であることを熟知しているからこそ、すべての政治家が街宣車でやかましく名前を連呼して歩くのです。
近代になって、心理学で、一方的に怒鳴られていると絶対に信じないと強く思っていても信じ始めてしまう現象が発見されました。
ここから、拡声器で不特定多数の相手に心理攻撃を仕掛けるという戦術が生まれました。
これは嫌いな相手、極端な場合には殺しあっている敵であっても、何度も見たり聞いたりしているうちに好意が湧いてくる心理学的現象で「知覚的流暢性の誤帰属説(misattribution of perceptual fluency)」と「幻想的な真実効果(illusory truth effect)」という心理学の学説で説明されています。
接客業などで悪質クレーマーに粘着されて折れてしまった人も多いかと思いますが、対人交渉において一方的に大声で何度も怒鳴るという交渉術は意外と有効なのです。
心理戦拡声器システム
大型拡声器が発明されたのは意外と古く、1920年代のことです。1929年(昭和4年)にアメリカで超巨大拡声器の販売カタログが出ています。これは電気装置のアンプではなく、圧縮空気を使った機械式の拡声装置で、カタログには4マイル(約6.4km)先まで鮮明に聞こえると書いてあります。トラックや船舶などに搭載できるため移動も自由自在で、外部電源なども必要としない利便性の高い機材だったので、世界的にけっこうな数が売れていたようです。
そして、第二次世界大戦になると各国がこの超巨大拡声器を使うようになりました。写真はスペイン内戦にドイツ軍が持ち込んだイタリア製の放送車で、30キロ先まで聞こえたそうで、スペイン人はドイツ軍のプロパガンダ攻撃に心を折られて負けました。
そもそも、ドイツ軍の戦術では、攻撃とは機動と射撃と衝撃及びこれが指向する方向によって効果を発揮すると教えており、敵に衝撃を与える有効な手段として超強力拡声器が使用されました。
選挙カーはすでに第二次世界大戦前に、有効な戦術として活用されていたのです。
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2024.10.02 20:00心霊選挙カーの騒音は心理攻撃? 国民洗脳、ウソ伝説…亜留間次郎が徹底解説!のページです。心理学、選挙カー、街宣車、拡声器などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで