刑務所で修道女と性行為に及んだ殺人鬼ジョン・クリブとは? サイコパスの脅威の能力
稀代のサイコパス連続殺人犯が最後に毒牙にかけた者とは――。彼はわずかばかりの同情心を見せた修道女につけ込んで言いくるめ、独房の中で性行為に及んだのだ。
母子3人を拘束して殺害
服役中のサイコパス犯罪者がそれでもなんとか影響力を行使しようと藁をもつかむ思いでターゲットに選ぶのは刑務所の中で接触できる人々だ。
独房に収監された甘いマスクのサイコパス殺人犯が、慰問に訪れた修道女を言いくるめて誘惑し、所内でセックスに及んだという驚きのケースがかつてオーストラリアで起きている。
オーストラリアのシドニー出身のジョン・クリブ(1950-2018)は1978年8月11日、ニューサウスウェールズ州ボーカムヒルズにあるコネル家の自宅に侵入した。
侵入時には誰もいなかったが、午後3時ごろに一家の母親のヴァルダ・コネルさん(39歳)は、6人の子供のうちの2人、サリー(10歳)とダミアン(4歳)を連れて車で帰宅した。
クリブは家族3人を誘拐し奪った車に乗せてマングローブマウンテンに連れて行き、そこでヴァルダさんに性的暴行を加えた。
その後、彼は3人をエレンボロー滝まで車で連れて行き、そこで3人に猿ぐつわをはめたうえで拘束し全員を刺殺したのである。
犠牲者を埋めるには地面が固すぎると判断した彼は3人の遺体を車のトランクに詰め込み、海の方へと向かったのだが、道中で自損事故を起こした。車を乗り捨てて逃亡を図ったものの、その後間もなく逮捕された。
麻薬中毒者で妄想性統合失調症と診断されたクリブは精神異常者用の病棟に収容されたが、1カ月後には服役中の強盗犯と共に逃走を図り、強盗と暴行を繰り返し罪をさらに重くした。その刑は3回分の終身刑と45年の懲役刑である。
慰問に来た修道女とセックス
収監された刑務所で看守から受刑者まで刑務所内の全員から嫌われていたというクリブだったが、唯一の例外となる自分がいた。それは慰問に訪れていた修道女である。
法医学心理学者のティム・ワトソン・マンロー氏は、2017年の著書『Dancing with Demons』の中で、オーストラリア最恐殺人犯であるジョン・クリブについて「彼は詐欺師や悪役たちに広く嫌われていた。彼の犯罪はあらゆる規範に違反していた。それは本当にあったホラーストーリーだった」と説明し、彼がサイコパスであったことを指摘している。
「3件の殺人、3件の誘拐、さらにその他多数の重大犯罪で有罪判決を受けた彼の悪の物語は、今でも私の背筋を凍らせます」(マンロー氏)
独房に監禁された彼は修道女と親しくなったのだが、この修道女はクリブの魔法にかかったのだとマンロー氏は説明する。
「悪の力の最後のデモンストレーションとして、クリブは修道女と友達になりました。彼女は彼に同情しており、当時は自由に手紙のやり取りが認められていたため、彼女は彼の悪魔のような呪縛に陥ってしまったのです」(マンロー氏)
そしてついに独房の中で2人は性行為に及ぶのだった。しかし異常に気付いた刑務官に行為中の現場を押さえられた。
その後クリブへの外部からの面会はいっさい禁じられ、2018年2月21日、刑務所内の矯正施設でクリブは67歳で死去した。命のある限り人を欺き利用しようとするサイコパスの恐ろしい“生命力”には戦慄を禁じ得ない。
参考:「Daily Star」ほか
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