ヒトラーはやはり南米に逃れていた!? アルゼンチン沖で「Uボートの残骸」発見か… 政府は調査を打ち切り“不可解な沈黙”続ける

 陰謀論者たちの間で長年語り継がれてきた、アドルフ・ヒトラーの「南米脱出説」にとうとう決着が──?

 昨年、アルゼンチン沖の海底で“潜水艦の残骸”が発見された。これが「ヒトラー南米脱出説」の重要な証拠になりうるとして、ユダヤ系人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センターが、アルゼンチン政府に正式な調査を要求したのだ。英紙「Daily Star」などが伝えている。

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潜水艦の残骸(画像は「Daily Star」より)

 世界中がタイタニック号探索ツアーの潜水艦事故に衝撃を受けていたころ、南米ではもうひとつの潜水艦に関する話題が沸騰していた。

 昨年、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスから4kmほど離れた沖合で、イタリアの海洋調査隊が潜水艦の残骸を発見した。残骸の長さは約260フィート(約80m)で、水深28m地点に横たわっていた。

 いくつかの特徴から、調査隊のリーダーであるアベル・ バスティ氏はこの潜水艦が「第二次大戦時にナチス海軍によって使用されていたUボート VII型、もしくはIX型である」と断定。また、潜水艦は故意に沈められたものであるとも明らかにしている。

 その後、アルゼンチン政府も潜水調査を行い、残骸の存在こそ認めたものの、そのまま調査は打ち切られていた。ユダヤ系人権団体、サイモン・ウィーゼンタール・センターの南米事務局長であるアリエル・ゲルブルング氏は、アルゼンチン政府の“疑わしい沈黙”に対し、こう語る。

「政府は何かしらの声明を出すべきです。(発見された潜水艦が)Uボートかそうでないかは、我々にとって非常に重要。もしそうなら、我々の知るすべてが覆されることになるからです。南米に逃れたナチスのメンバーが、空路を利用していたことは知られています。しかし、Uボートについては、噂こそありましたがこれまで一隻も発見されていません」

 第二次大戦末期、アドルフ・アイヒマンやヨーゼフ・メンゲレをはじめとする、ナチスの戦犯がラットライン(秘密の逃走経路)を利用し、南米に逃れていたことは事実として知られている。

 ナチスを率いたヒトラーにも数多くの生存説が存在するが、そのひとつとして根強く囁かれているのが「南米脱出説」だ。それによると、ヒトラーはアルゼンチン経由でブラジルに逃亡し、95歳まで生存したという。死去する2年前に撮影されたという「年老いたヒトラー」の写真も出回っている。

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アドルフ・ヒトラー(画像は「Getty Images」より)

 なお、アルゼンチン政府の現内閣は、正義党(ペロン党)に率いられている。党の創立者で、同国の大統領を3度務めたフアン・ペロンはナチスの亡命を積極的に受け入れてきたことで知られている。

「現在の政権与党は、ペロンの系譜にあります。だからこそ、沈黙するのではなく、調査結果を公表するべきなのです」(ゲルブルング氏)

 また、イタリア海軍の海洋研究チームを率いるファビオ・ビスコッティ氏は、現場の写真を分析した結果、残骸がドイツ由来であることを示す特徴をいくつか発見。そこで、アルゼンチン政府に詳細な調査を申し入れたものの、黙殺されているという。

 潜水艦の残骸を発見したバスティ氏も、アルゼンチン政府が自分の 調査結果を「闇に葬った」と批判している。

「調査は継続しない、と言われてそれっきりです。おそらく政治的な判断でしょう。こういった残骸が発見された場合、法的にはその正体を特定し、爆薬や危険物、燃料漏れの有無を公表するのが筋です」(ビスコッティ氏)

 アルゼンチン政府は本件についてコメントを拒否している。

参考:「Daily Star」ほか

文=ゼロ次郎

2015年からライターとして活動。 得意ジャンルは国内外のB級ニュースや珍事件。「TOCANA」 「実話ナックルズ」「日刊SPA!」を中心に執筆しているほか、 南阿佐ヶ谷のライブハウス「Talking Box」で、出版関係のトークイベントを毎月開催中。
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