イギリス最悪の幼児殺人犯(当時10歳)が釈放へ! 2歳男児を暴行、肛門に乾電池を詰め込み、列車で遺体を切断…

 2歳の男児を誘拐したうえに残酷な手段で惨殺し、遺体を線路上に横たえて列車に轢かせるおぞましい犯行に及んだのは、なんと2人の10歳の少年たちであった。その1人がもうすぐ刑務所から釈放されようとしている――。

10歳の少年2人による2歳男児の誘拐殺人

 未成年の犯罪を成人の犯罪と同等に扱うことはできないが、それでも昨今は少年犯罪の厳罰化の動きも見えてきている。そこには世論に後押しされている側面もあるようだ。

 1993年にイギリスのリバプールで起こった10歳の少年2人による残酷な幼児誘拐殺人事件もまた世に大きな衝撃を与え、少年たちの処遇についての議論が巻き起こった。その中には少年たちを終身刑にすべきだという声もあがっていたのである。

 事件は1993年2月12日午後、母親に連れらてリバプールのショッピングセンターを訪れていた当時2歳のジェームス・パトリック・バルガーが、ともに当時10歳の少年であったジョン・ヴェナブレスとロバート・トンプソンの2人に誘拐されて連れ回された挙句に暴行を受けて殺害されたというもの。

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殺害されたジェームス・パトリック・バルガー 画像は「Wikipedia」より

 ショッピングセンターの人混みの中で一緒に買い物をしていた母子だったが、母親が代金を支払っている間にバルガーが母のもとを離れて行方不明になった。

 1人で歩いているバルガーを見つけた少年たちは、暴行し殺害することを目的にバルガーの手を取って誘拐したのだった。誘拐の瞬間の様子は当日15時42分に監視カメラで捉えられていた。

 少年たちはバルガーをショッピングセンターから約400メートル離れた運河に連れて行き暴行を加えて顔に傷を負わせ、さらにウォルトン・パーク墓地に近い鉄道駅近くの線路端まで連れ回してさらに殴る蹴るの暴行を加えて殺害した。検死の結果バルガーの頭蓋骨は10カ所骨折しており、口と肛門に乾電池が押し込められていた。また少年たちがショッピングセンターで万引きした青い絵の具がバルガーの顔に塗りつけられていたのだ。

 これだけでは終わらなかった。少年たちはバルガーの遺体を線路に横たわらせて周囲に石を置いて動かないように固定した。その後にやって来た列車によってバルガーの遺体は切断された状態で誘拐から2日後に発見されたのである。

 監視カメラの映像に加え、少年2人は当日に学校を休んでいたことや、バルガーを連れ回している様子を複数人が目撃していたことなどもあって、ヴェナブレスとトンプソンはすぐに特定されて逮捕された。

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監視カメラの映像 「Daily Star」の記事より

 10歳の少年2人による残酷な幼児誘拐殺人事件は世に多大な衝撃を与えた。

 少年たちは2人とも数多くの問題を抱える家庭環境に育ち、同じ境遇にあることで意気投合。学校をサボってはショッピングセンターで万引きをしていたという。

 裁判の結果、2人は8年間刑務所に収監されることになった。この裁量に対して一部で反発が起こり、加害少年2人を終身刑にするよう求める30万人分の署名が集まっている。

 しかし判決に影響を及ぼすことはなく、加害少年2人は18歳になった時点で釈放されることになった。

“イギリス最悪の幼児殺人犯”が近く釈放される可能性

 少年院で模範的な受刑者として刑期を終えた2人は2001年に新しい身分が与えられて釈放された。

 2人の釈放に抗議する声もあがったが、裁判所は2人にこの先一生リバプール周辺に絶対に立ち入らないことや、週に1回保護監察官の面接を受ける義務を課し、マスコミに対しては2人についての報道を今後一切行わないように緘口令を敷いたのだ。

 こうして新たな人生に乗り出した2人だったが、こともあろうに2010年、元ジョン・ヴェナブレス(以下「元」省略)は児童ポルノ規正法違反で逮捕された。さらに2017年にも児童虐待画像を所持していたとしてヴェナブレスは再び逮捕されて収監されたのである。

 仮釈放委員会(parole board)は、ヴェナブレスが性的暴力に惹かれていた証拠が依然として残っているとの見解を示した。

 現在も収監中のヴェナブレスだが、英紙「Daily Star」によれば、今後数週間以内に予定されている仮釈放委員会の公聴会の成り行き次第では、ヴェナブレスは今年のクリスマス前に釈放される可能性があるという。

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逮捕時のジョン・ヴェナブレス 「Daily Star」の記事より

 関係者によると、ジョン・ヴェナブレスの訴訟は今後数週間のうちに審理され、その進展次第で収監されているHMPフランクランド刑務所から解放されることもあり得るということだ。

「ヴェナブレスはこれが自分にとって最高の、そしておそらく最後の自由のチャンスだと信じており、気力を充実させています。彼は正式な承認を得ており、仮釈放委員会へのプレゼンテーションの準備に取り組んでいます」と関係者は語る。

 しかし別の情報筋は報道機関とのインタビューで、ヴェナブレスが釈放される可能性を否定した。

「ヴェナブレスが釈放を推奨される可能性は極めて低いです。彼は明らかに更生していないカオスなキャラクターです」と情報提供者は語る。

 仮釈放委員会の広報担当者は審理が現在進行中であり「標準的な手順に従っている」ことを認めている。

 ヴェナブレスが昨年に再度公聴会を開くことになっていたとき、バルガーの父親は、息子を殺した犯人が釈放される可能性があるという考えを激しく非難した。

 父親は法務長官に「ヴェナブレスの仮釈放公聴会に私が出席することを許可しなければならない」と語っているという。

 はたして“イギリス最悪の幼児殺人犯”が近く釈放されることになるのだろうか。イギリス中の注目が集まっているようだ。

参考:「Daily Star」「Wikipedia」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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ツイッター @nakata66shinji

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