インドのリアルシンデレラに世界が注目! 「スラム街のプリンセス」はどうやって生まれた?
人生の中で“運”や“偶然のチャンス”はどれほどの影響を及ぼすのだろうか。インド・ムンバイのスラム街の少女が偶然の出会いで国際的なモデルとなった“シンデレラストーリー”が話題だ――。
スラム街の少女が一躍国際的モデルに
その時にたまたまその場所にいたことで、まるでシンデレラのように人生が大きく変わった少女がいる。
アメリカ人俳優のロバート・ホフマン氏はミュージックビデオの撮影のためにアジア最大のスラム街「ダラヴィ」を抱えるインド・ムンバイを3年前に訪れた。そこでホフマン氏は印象的な容姿の少女が仮設テントの中でマットレスに座っていることに気づく。この少女こそが当時12歳のマリーシャ・カルワであった。
ホフマン氏はマリーシャに話しかけて撮影し、その直後にビデオをSNSに投稿すると、「この可愛い娘は誰?」と話題になりたちまち拡散することになった。やがてマリーシャは国際的なセンセーションを巻き起こし、モデルの仕事が殺到するようになったのだ。
ヴォーグやコスモポリタンなどの国際的なファッション誌の表紙を飾ったマリーシャは、高級スキンケアブランドの顔となり、インスタグラムだけで30万人以上のフォロワーを集めている。彼女は現在のインドで最も有名なアイコンの1人であり、わずか3年前まではムンバイのスラム街に暮らす少女として異例のサクセスストーリーである。
「私の人生は変わりました」とマリーシャはUAEメディア「The National」に語る。
「以前はポスターにも新聞にもテレビにも出演していませんでしたが、今では世界中で出演しています。誰もが私を認識し、写真撮影を求めてきます。私は自分自身を誇りに思っています。ずっとモデルになりたいと思っていました。5歳の頃からモデルになることを夢見ていました。私はとても幸せです。私はいつかスーパーモデルになることを夢見ています」(マリーシャ)
マリーシャはモデルの仕事から得た収入で、市内のワンルームのアパートを購入した。
「以前は適切な電気がなく、水を汲むために遠くまで行かなければなりませんでしたが、今では電気がつながり、天井ファンもあり、水道もあります」とマリーシャはかつての暮らしぶりを振り返る。
美の基準に多様性が芽生えはじめている
「The National」の記事によれば彼女の躍進の背景には、美の理想としての“美白肌”の固定観念に変化が訪れていることもあるという。肌が白い女性が美しいという通説が徐々に崩れつつあるというのだ。
インドは国民の大部分が浅黒い肌であるにもかかわらず、これまで白い肌が美の基準となっていた。おそらく植民地時代に植え込まれた固定観念であるということだ。しかしようやくその美の基準に多様性が芽生えはじめているという。
「私はあらゆるものに美しさを見出します。白い肌だけが美しいと多くの人が考えていますが、それは愚かなことだと思います。美しい顔も素敵ですが、内面の美しさはもっと重要です。 私は自分の肌が大好きで、完璧だと感じています」(マリーシャ)
「スラム街のプリンセス」とも呼ばれているマリーシャは、インドのスラム街で大きな夢を見ている何百万もの十代の若者たちにとって希望の象徴にもなっている。
マリーシャはこれらの直近の成功がモデルやダンサーとしてのキャリアへの出発点となることを望んでいるが、学校を卒業するまでは学業に集中するつもりであるということだ。
今年、マリーシャ・カルワは高級美容ブランド「フォレスト・エッセンシャルズ」の新しいキャンペーンの顔として起用された。人気が高まるばかりであるマリーシャの“シンデレラストーリー”はまだまだ続きそうである。
参考:「Oddity Central」「The National」ほか
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