「巨大な」小児性愛者ネットワーク、「ここ数十年で最悪の児童虐待事件」で有罪判決 ＝ スコットランド

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　スコットランドで明るみになった児童性的虐待組織のメンバー7人が先頃行われた裁判で有罪判決を受けた――。薬物中毒者らを含むメンバーが企画した“ハロウィンパーティー”で子供たちが薬物を投与されあらゆる虐待を受けていたのである。

■児童虐待グループに有罪判決

　児童虐待の闇が世界各地で暴かれつつあるが、スコットランド・グラスゴーで“ここ数十年で最悪”の児童性的虐待組織の実態が明らかになった。

“魔女と魔法使い”を装った小児性愛者グループのメンバー7人が、グラスゴーの麻薬密売所で「巨大な」児童性的虐待組織を運営していた罪で11月14日、グラスゴー高等裁判所によって性的暴行と強姦の罪で有罪判決を受けた。

　NSPCC（全英児童虐待防止協会）が“ここ数十年で最悪の事件”の一つと呼んだこの事件で、小児性愛者ギャングのメンバーとされる11人が3人の子供に対しての一連の罪に問われていた。

　2カ月以上にわたったこの裁判では、ヘロイン中毒者らを含む児童虐待グループが2012年から2020年にかけていくつかの施設で“パーティー”を開き、当時小学生の子供たちが集団強姦を含む性的虐待にさらされながらアルコールとコカインを摂取させられた犯行が詳述された。

　法廷では「児童レイプの夜」と呼ばれる長期にわたる虐待で年長の子供が年少の子供を虐待することを強制されていた実態も明らかになった。

　虐待が行われた場所を「野獣の家」と呼んだ被害者の若者らは、性犯罪者の一部が笑いながら行っていた凶悪な性的暴行の後、金銭のやり取りが行われたと主張した。

　グループのメンバーは自分たちが魔女と魔法使いであると子供たちに信じ込ませて、手にしている「魔法の杖」で犬や猫に変えてしまうぞと脅しながら子供たちを虐待していた。

　あるケースではメンバーは子供1人を殺害する目的で電子レンジ、オーブン、冷蔵庫、冷凍庫の中に監禁したことが報告された。

　法廷で被害者の1人は繰り返される虐待に「鈍感になった」と訴え、他の被害者たちは「恐ろしく混乱した世界」にさらされたと述べた。

　またこの“パーティー”では「ウィジャボード」が「霊や悪魔を呼び出す」ために使用され、子供たちに「霊や悪魔が見え、聞こえ、コミュニケーションできると信じ込ませた」との証言もあった。

■「あらゆる手段を使って虐待者を見つけ逮捕する」

　NSPCCのディレクターであるマット・フォード氏は「これは本当に衝撃的な事件です」と「Sky News」に語った。

「これは本当に極めて異例の事件です。何十年にもわたって恐ろしい事件がいくつかありましたが、今回の事件は本当に衝撃的であり、子供たちがこのような経験をする可能性があり、そのような故意の犯罪にさらされる可能性があるとは、一般の人々には考えられないひどい虐待です」（フォード氏）

　この件に関し1000以上の捜査を行ったスコットランド警察のニコラ・キルバーン警視は「これは、何年にもわたって想像を絶する虐待を受けてきた若い被害者たちにとって、恐ろしい試練だった。今日私たちの思いは彼らとともにあり、この結果が彼らの前進に役立つことを願っている」と述べた。

「この事件で示されたレベルの堕落はスコットランドでは極めてまれであり、この有罪判決を確実にするためには被害者の勇気が不可欠でした。これらの卑劣な犯罪の責任者を裁くために、最も悲惨な証拠を精査しなければならなかった警察官と職員のチームにとって、これは長く複雑で困難な捜査でした」（キルバーン警視）

　こうした事件の捜査が難しい点は、一部の被害者たちが悲惨な過去を思い出したくないために、記憶を抑圧し真実を話さない傾向があることだ。

「虐待の被害者は誰でも、話を聞いて真剣に受け止め、全面的にサポートしてもらえることを知って警察に相談することをお勧めします。捜査が始まって以来、私たちは被害者を保護し支援するために、ソーシャルワーク、保健、教育、王室、第三セクターのさまざまなパートナーと緊密に協力してきました」（キルバーン警視）

　被害者にとって思い出したくない過去であるケースもあるのだろうが、捜査の進展のためには被害者の証言が最も重要であることは間違いない。

「どれだけ時間が経っても、私たちはあらゆる手段を使って虐待者を見つけ逮捕します」とキルバーン警視は決意を表明している。今もまだ世界中で暗躍しているであろう闇の組織の犯罪が一刻も早く暴かれてほしいものだ。

参考：「Sott.net」、「Sky News」ほか

文＝仲田しんじ

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