メキシコ議会に登場した「エイリアンのミイラ」はフェイクだった!記者会見の模様と詳細な分析結果を公開!

画像は「Associated Press / YouTube」より

 昨年10月、メキシコのUFOに関する公聴会で「エイリアンのミイラ」が専門家によって提出され、その真偽をめぐって大きな議論が巻き起こった。公聴会に提出されたミイラは専門家のハイメ・マウサン氏が2017年にペルーのナスカ近郊の遺跡で発見した複数体のミイラのうちの2体で、マウサン氏は「人間とは明らかに異なる存在の遺体である」という主張を崩さなかった。

 そんなエイリアンのミイラについて、ほぼ間違いなく「偽物」だとする判断がペルーで下され、大きな注目を集めている。

 12日金曜日、ペルーの法医学考古学者のフラビオ・エストラーダ氏が会見を開いた。記者会見では今年10月にペルーからメキシコに向かう途中の税関で発見された2体の人型の物体が公開された。それは大きさ数十センチ程度、全身が灰色で骨と皮だけになったミイラとおぼしき物体だったが、指が3本で大きく発達した頭、つり上がった目など人間からかけ離れた特徴を備えていた。そう、昨年メキシコの公聴会に登場したエイリアンのミイラそのものだったのである。だが細部をよく見ると違う所も多数見受けられる。さらにこのミイラが派手な民族衣装に似た服を着せられていたというのも気になる所だ。

 エストラーダ氏は、この「エイリアンのミイラ」を分析した結果、この世のものではないことが判明したと説明。しかし「地球外生命体でもなければ既知の生物でも、新種やハイブリッド生物でもない」と述べた。

 では、ミイラの正体は何だったのか。エストラーダ氏は押収されたミイラを分析した結果、 「動物の骨を現代の合成接着剤でつなぎ合わせて作られている」もので、古代に作られた可能性はないと断言。 押収された荷物の中には人形と一緒に「3本しか指のない手のミイラ」もあり、これも分析の結果「本物の人間の骨を使って粗雑に作られたものである」ことが判明した。ちなみに「3本指のエイリアンの手のミイラ」も、マウサン氏が所有しているものと酷似している。

 この記者会見で公開されたミイラ達はいずれもマウサン氏がメキシコ議会で明らかにした「エイリアンのミイラ」とは直接的な関係がないものの、ペルーが原産地であること、外見が酷似していることからやはりマウサン氏のミイラも偽物である可能性が高いことが示唆されている。今のところマウサン氏はこの記者会見について何らかのアクションを起こしてはいないが、これまでの主張を考えると彼は今回の結論に異を唱え、所有する「遺体」はこの世のものではないと主張し続けるだろうと想像されている。

 一方、エストラーダ氏は騒動を巻き起こしたミイラについては「まったくの作り話だ」と主張し、マウサン氏についても「似非科学者」であると非難している。

 なお、記者会見に出席した関係者によれば、この奇妙な標本をメキシコに送った人物については調査中とのこと。更なる結果が出て来次第、追って報告していきたい。

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文=飯山俊樹(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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