【未解決事件】霧の中に消えた人々!日本でも…「 藤代バイパス車両失踪事件」「チリ空軍機の消失」
普段何気なく目にしている通勤途中の景色も、朝もやが立ち込めていたりすると、まるで異次元への入口に迷い込んでしまいそうで不穏だ。人間はもやや霧に対して、本能的な畏怖の念を抱いているのかもしれない。
今回は、そんな霧中で起こったミステリアスな事件をご紹介しよう。
■帰還しなかったチリ空軍機
1914年3月9日、チリ空軍所属のアレハンドロ・ベロ・シルバ中尉は、飛行技術試験のため、緊張の面持ちでコックピットに乗り込んだ。彼の愛機は、チリ人として初めて航空機による飛行を成功させたホセ・ルイス・サンチェス・ベサと同型の複葉機だった。
フライトルートは、チリ中央部のロ・エスペホ飛行場を飛び立ち、危なげな山脈地帯を縫ってシトリン、カルタヘナを周回してくるというもの。総飛行距離約178km。鋭い岩肌の山々を首尾よく、くぐり抜けられるかどうかがパイロットの腕の見せどころ。しかし、すでに優秀な操縦士として認められていたシルバ中尉なら、どんな難ルートであろうと、たやすくクリアすると誰もが思っていた。
だが、彼は消えた。
試験にはインストラクターも追随していたが、途中で燃料切れとなって引き返すことになり、シルバ中尉だけが飛行を続けた。目撃者の話では、複葉機は厚く覆われた雲の中へ飛び込んでいき、反対側から姿を現すはずが――それっきり、消息を絶ってしまったという。大規模な捜索活動が何度も行われたが、パイロットの姿はおろか、機体の残骸ひとつ見つからなかった。
その後、シルバ中尉は推定死亡と判断された。この事件は、チリ国民によほどショッキングだったのだろう、チリには次のような表現があるという。
「Mas perdido que el Teniente Bello(ベロ中尉よりも迷子になった)」
完全に、ガチで道に迷ってしまったときなどに使うらしい。
■国道で走行中のクラウンが消失
実は、日本でも霧の中で忽然と姿を消した人たちがいる。
1963年11月19日。都内にある某銀行支店長代理の運転する車が、同行次長と得意客を乗せて茨城県龍ケ崎市のゴルフ場へと向かっていたときのこと。
ふと気がつくと、3人が乗る車の前を東京ナンバーの黒いトヨタ・クラウンが走行するようになっていた。後部座席には初老の男性が、くつろいだ感じで新聞に目を通している姿が見えたという。
だが、国道6号線の藤代バイパスに差しかかると、突如としてクラウンの周囲にだけ濃霧のようなガス状の気体が発生したかと思うと、みるみるうちに車体を飲み込んでしまった。数秒後、白い気体が消えたとき、なんとクラウンも跡形もなく消失してしまったという。
この霧と謎に包まれた怪事件は、当時マスコミをにぎわし、1964年3月4日付毎日新聞首都圏版の夕刊にも掲載されたほどだった。世にいう「藤代バイパス車両失踪事件」だ。
これら2つの事件に共通するのは、目撃証言の信憑性が高いという点だ。とはいえ、すでに半世紀~1世紀前に起こった事件であり、真相解明は困難だろう。だが、時空の歪みによるものだとしたら、明日、あなたの眼の前で起こらないとも限らない。
参考:「Mysterious Universe」ほか
※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
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