国立公園で行方不明者が続出「ミッシング411」の怪! 突然の断末魔、年老いた大男、魔の三角域…

 世界一の経済大国であるアメリカはどうやら行方不明者大国でもあるようだ。行方不明のケースの中でも特に不可解な事件が多い場所が、アメリカ国内の国立公園である。国立公園でなんと毎年1600件もの行方不明事件が発生しているのだ。

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画像は「YouTube」より

■山中で突然消えた7歳児

 アウトドアシーズンを迎え、休日にはキャンプや屋外BBQなどを楽しむ人が増えるが、アメリカでは行楽地として人気の国立公園で行方不明者が続出している。その数なんと毎年1600人に上るともいわれている。しかも、その中には実に不可解でミステリアスな事件も多いのだ。

 こうした国立公園を舞台にしたミステリアスな行方不明事件を主に調査して、それを紹介するドキュメンタリーシリーズ『Missing 411(ミッシング411)』を手がけているのが元警察官で作家のデイビット・ポライデズ氏である。ポライデズ氏は主にアメリカの国立公園で起こった411件もの未解決行方不明事件を調査し、その不可解さを世に知らしめている。

 ポライデズ氏が調査したミステリアスな行方不明事件の代表格は1969年6月14日、テネシー州とノースカロライナ州にまたがるグレート・スモーキー山脈国立公園を家族で訪れたデニス・マーティン君(当時7歳)の行方不明事件である。

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 その前日、マーティン一家は毎年恒例の同地でのキャンプを楽しんでいたのだが、一泊した次の日は、皆で山道を歩くハイキングを行った。

 目指す目的地に到着すると、お昼休憩を兼ねて少しの間自由行動になったのだが、デニス君を含む少年3人は、昼食後に話し込んでいる親たちを驚かそうと、茂みの中に隠れるイタズラを画策した。デニス君の兄をはじめ2人の少年は首尾よく大人たちを驚かせることができたのだが、デニス君はそれきり姿を現すことはなかったのである。

 心配した一行は懸命にデニス君を探したが、いくら探しても何の手がかりも見つからず、雨が降ってきたこともあり仕方なくいったんキャンプ地に戻り森林レンジャーに捜索を依頼した。デニス君が行方不明になったことはキャンプ地ですぐに知れ渡り、レンジャーに加えてボランティアのハイカーたちも加わって必死の捜索が行われたが、それでも発見には至らなかった。午後に降った大雨が捜索活動の大きな妨げになるというマイナス要因もあった。

 他のキャンパーからの情報もいくつか集まり、デニス君が行方不明になった数時間後、そこから約9.7キロ(6マイル)離れた地点にいた家族が、まるで断末魔のような叫び声を聞き、その後年老いた大男が肩に何かを背負って遠くの茂みの中を歩いている姿を目撃したという。しかし、もし誰かがデニス君を誘拐していたにしても、山道のこの距離を子ども背負ってこの時間内に移動するのは普通の人間にはまず不可能だ。

 この後、捜査当局が本格的にデニス君の捜索に着手し、犯罪組織の存在も懸念されることから米陸軍の特殊部隊「グリーンベレー」も投入されて一帯の捜索が徹底的に行われた。ボランティアの捜索参加者は200人にも達したという。

 しかし努力の甲斐も虚しく、7年間に及ぶ段階的な捜索も手がかりすらつかめなかったのだ。クマやクーガーなどの野生動物に襲われたのではという説も依然として有力なのだが、専門チームによる捜索がまったく用をなさなかったこの未解決事件は今日でもまだ情報提供を募っている。

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■行方不明から14カ月半後に歩いて“帰宅”

 デニス君の謎の行方不明事件と対照的なケースが1978年2月19日にミシガン州ミシガン湖畔で行方不明になったスティーブン・クバッキ氏(当時24歳)の事件である。

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 クバッキ氏は趣味のスノートレッキングを楽しみにこの地を訪れていた。冬の間、ミシガン湖のこの一帯は水面が凍りつき氷上でのトレッキングが楽しめるのだが、行方不明者の多さから“ミシガン・トライアングル”とも呼ばれる魔の三角域であった。

 スキーに出かけたきり帰宅しない息子を心配した家族は、地元当局に捜索願を出す。捜索隊は湖畔にクバッキ氏のスキー板とポールを発見。さらにスキーを外した後の彼の足跡も確認したが、その後の行方を突き止めることはできなかった。割れた氷の下に沈んで流されたケースも当然考えられたが、見たところ一帯には氷が割れた箇所はなかったということだ。

 捜索隊による精力的な捜索が行われたにもかかわらず残念ながら未解決事件(コールドケース)扱いとなり捜索は中止されたのだが、その後に意外過ぎる顛末が待っていた。なんと行方不明から丸14カ月以上が過ぎた1979年5月5日、クバッキ氏は父の実家に帰宅したのである。

 クバッキ氏の話を整理すると、帰宅する前に、この父の家から約64キロ(40マイル)離れた牧草地に寝転んだ状態で目が覚めたのだという。そして、まず自分のものではない服を着ていることに気づき、そばには全く見覚えのない肩掛けカバンと地図があったというのだ。後から調べてみると、その牧草地は、行方不明となったミシガン湖から1127キロ(700マイル)も離れていた。そして、クバッキ氏には目覚める前の記憶が一切ないのであった。

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 クバッキ氏の精神状態にはまったく問題はないのだが、とにかくこの“空白期間”について話せることがまったくないのだと訴えるに終始している。ちなみにこの後、クバッキ氏は学問に励み、1983年には言語学の修士号と臨床心理学の博士号を取得した。

 まるで何者かがクバッキ氏の14カ月半の記憶を完全に消し去ったかのようにも思える事件であり、本人が無事のままであるだけにさらに難解さを深めている。ミシガン湖を含む五大湖の周辺にはUFOやUMAの目撃報告も多く、その意味では何かと疑惑の多いエリアでもある。アメリカで多発するこうしたミステリアスな行方不明事件に新たな解明の糸口が見つかることを期待したい。

参考:「UFO Sightings Hotspot」、ほか

 

※当記事は2019年の記事を再編集して掲載しています。

TOCANA編集部

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